【d!】青空と憧憬[sho]

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tn｢お前に要観察してもらうのはゾム、シャオロン、コネシマが率いる海賊で…｣

zm｢…あ、俺ゾムな！｣




『おかしい、おかしい。』





あの日、トントンさんに言われた。

要注意人物の3人、その名前はゾム、シャオロンコネシマという3人の人間が率いている海賊だと。


朝5時、眠れなくて気づいたらもう日は出かけている。クマ、出来てないよね。鏡を確認してからベッドに目を移しても寝る気には到底なれなかった。
原因は海洋民族と海賊。私はあの人達が探している海賊の存在を知ってしまった。協力しろと言われている以上、知らせない訳にもいかない。今度の休み、行きたくもないが海洋民族の家にでも訪ねようか。

はぁ、と溜息が漏れる。まだ朝の5時。海賊達も寝てるだろうし、砂浜にでも行こう。仕事のヒールでは無く、サンダルを履いて、私は外に出た。



寝れなかったので気分が良いとは言えないけれど、夏の朝日はちょっと眩しいからかちょっとの眠気も覚ましてくれる。




『眠いのに寝れないとか本当に有り得ない…。』



これもゾムとか言う海賊のせいだ。

私が海洋民族側である以上、あの海賊に姿を晒しては行けない。あの海賊船は海岸側。ここより少し離れた砂浜で、しかもこの時間なら大丈夫でしょ。私が大好きな砂浜に足を運んだ。


昔は、海賊になりたいって言ってたのに。





歩いて行って見ると、海の方から音がした。こんな時間に誰だ…？目を凝らしながら近づいてみると、ちょっとだけ見た事のある服。



sho｢ん、…？…あ、昨日の綺麗な人や。｣



詰めが甘かった。

1番に聞こえたのは、そんな私に向けた自分の言葉で。黄色いハンカチ？スカーフ？を海の水で濡らしながらざばん、とそれを引きあげてぎゅーっと絞る。
ピタピタと水はまた海に戻り、海水の1部になった。



朝日のせい、と思ってもその姿から何故か目が離せなくて、眩しくて、



『なんで、ここに、』
sho｢久々の早起き？君もこんな早くに起きるんやな。また仕事？無理せぇへんようにな。｣



なんで、そんな優しくするの。


海賊は傲慢で、人の事も考えない極悪人だって、言われてるのに。
私も、今までいろんな海賊と接してきたが、こんなに親身になってくれる人なんて居なかった。



…嗚呼、


sho｢…なに、なんで泣いてん？！あ、待っ、｣



どうして、こんなに眩しいの。


海水の様に塩分が強いそれを流しながら、私は眠気に誘われて瞳を閉じた。


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