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容れてもらった珈琲。
苦味が特徴的な私の好きな飲み物。ただ港町に売ってはいるものの、この豆はとてもじゃないが高くて買えない。この珈琲豆はとても貴重なものらしく、中央地方ではまだ安価で売っているくせにこっちは馬鹿高いのだ。
口をつけると、安心するような、落ち着くような味が広がる。
『…中央地方から仕入れたものですか？』
eml｢いえ、そこの森で育ててる物です｣
『…………育ててる？』
eml｢はい、あまりに頻繁に飲むもので…グルッペンさんに毎回頼むのも悪いかな、と…ひとらんさんとオスマンさんが育ててくれてるんです。｣
確かここ野菜も育ててるよね…？
どれだけのことを自分達で賄うんだ、と恐ろしく思ってしまう。
『…落ち着きます。』
eml｢そうですか…。外はまだ雨続きですし、顔も疲れていたので心配だったんですよ？｣
『す、すみません…』
eml｢Aさんが落ち着いたのならそれでいいです。ゆっくりしてください。｣
エミさんの笑顔は本当にほっとする。私が大好きな微笑み方だ。いつもエミさんは私の味方をしてくれて、悩み事も聞いてくれた。
…名前を伏せたら、話を聞いてくれるだろうか。
淡い希望を抱いて、声に出した。
『エミさんは…もし私が仲間を裏切るような行為に出たら…』
eml｢Aさん。｣
私が言おうとした時、エミさんは私の声を遮った。声色が、冷たい。ゾッと寒気がして、身構えてしまう。
恐る恐るエミさんを見て見たら今までにないような冷たい目をしていて、頭に衝撃が入ってきた。見たことも無い目。表情。
どん底に突き落とされたような感覚がする。
『えみさ、』
eml｢裏切りは、許せる行為ですか？｣
『それは』
eml｢相手側になってください。相手側になって、許せるというのですか？｣
そう、正論。相手側に、海洋民族側になって考えてみたら有り得ない話。
でも、でも、優しいエミさんだから希望を抱いてたんだ。
『ごめんなさい、今日はもう帰りますっ…』
eml｢分かりました。顔色も悪いですし、誰かに送ってもらいましょう。車を出すように私から言っておきます。｣
いつものエミさんに戻った。いつもの笑顔で、いつもの声。
でも、それが怖い。
図書室を出てエミさんに別れる時、最後に言われた言葉
eml｢私達から逃げる事は、許されませんよ。｣
嗚呼、やっぱりこの人も、
ちゃんとした、海洋民族なんだ。
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四ツ谷抹茶(プロフ) - Alexさん» ありがとうございます…！！！そう言って頂けて光栄です、どうぞこれからも応援よろしくお願いします…！ (2019年7月16日 19時) (
レス) id: 2106793cf6 (このIDを非表示/違反報告)
Alex(プロフ) - とても面白かったです！応援してます！ (2019年7月16日 13時) (レス) id: 9980b2e5cf (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷抹茶(プロフ) - かなさん» 最後まで読んでくださりありがとうございました！最高言っていただけるような作品を届けることができてとっても嬉しいです…！応援まで…本当に感謝しかありません、次回作も期待して待っていただけたら有難い限りです、よろしくお願いします！！ (2019年7月15日 23時) (レス) id: e084f888fc (このIDを非表示/違反報告)
かな - 初見失礼します！本当に最高でした！もう最後のut先生の所は恥ずかしながら泣いてしまいましたw次は脅威の作品を見ようと思います！そしてこんな中学生の拙い文章を読んで頂けると嬉しいです。貴方様をずっと応援させていただきます！ (2019年7月15日 23時) (レス) id: 2f3992ceb8 (このIDを非表示/違反報告)
四ツ谷抹茶(プロフ) - 理香さん» コメントありがとうございます！今回の小説は憧憬というキーワードを意識して書いていたのでそういう感想を聞けて私も嬉しいです…！これからの航海もいいものであるといいなと私も思います…ここまでの応援、感謝です！次回作もよろしくお願いします！！ (2019年7月15日 19時) (レス) id: e084f888fc (このIDを非表示/違反報告)
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