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「僕は君の兄。済まないが、君の父上と母上は死んだ。僕が殺した。」
「嗚呼、そんな...まさか...」
とは言え、急に「お前の両親を殺した。」と今しがた初めて出会った奴に言われても受け入れられないだろう。
目も見えていないから状況が判断し辛いだろうし、受け入れられても絶望して普通だ。
「貴方は僕の兄上なのですか?」
僕の弟は存外普通じゃないらしい。食いつく所そこなの?僕の事でいいのか?
「そうだよ。腹違いで妾の子だけど、ちゃんと君の兄だ。ねえ、両親の事はいいの?」
「いいんです。一応父上と母上と呼んでは居ますが、彼らは僕を子供ではなく、自分達の評判を上げる為の道具としか見てくれて居なかったんです。」
「まあ、あいつらならそう扱うか。あれ、僕の事は知ってたの?」
「はい。偶に『お前はあの目を持って生まれて来なくて良かった。』『やはり彼奴は消して置いて良かった。』なんて両親が言っていたので、使用人に問い詰めたんです。あの目とは何だ。彼奴とは誰だ。って。」
予想以上に強い子だ。これはもう連れて行こう。
僕の命が危うくなったり、計画決行が近くなったら高専に押し入れて五条達に任せよう。
きっとどうにかしてくれる。弟にも成人まで人は殺させない。
「僕はこれから呪詛師として生きて行くんだけど、一緒に来ない?
「ついて行ってもいいのですか?」
「勿論だよ。目も治して、色んな景色を見せてあげようね。」
「え、目も治して下さるのですか!?」
「ああ、僕の術式ならそんなのは簡単さ。」
嘘です。僕の術式で他人の臓器とか器官の修復って、呪具作りと比べると、とてつもなく面倒くさくて緻密な呪力コントロールが必要だから、そんなポンポンやってらんない。
でも今回は僕の可愛い弟だ。完璧に目を作ってやる。
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リリィ - 物凄く好みです!、中々好みの夢小説が全然見つからなくて困っていました!楽しみに待ってます! (2021年1月15日 21時) (レス) id: 281db98431 (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです!これからも更新頑張って下さい! (2021年1月15日 19時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パナセ | 作成日時:2021年1月14日 23時