鬼と人の境界者

20 ページ23

Aside




(ここ町で鬼が出ていない、まだ山で身を潜めてるのか？)




なんであれ好都合。



罠を張れる時間がある。






さっきあんなカッコ良く言ったが一人でバラバラの場所にいる奴らを助けるのは不可能だ。





だからもし取り残されてしまった人を守る為の罠。





善逸にも手伝ってもらった。









そして夜になった。








善逸は爺さんの言いつけで俺から技を盗んでこいと言われたらしくここに残るらしい。





「もう無理無理無理無理、死ぬ。そんな町一個消せるぐらいの鬼勝てるわけ……ブツブツ」








(本当に気が弱いなぁ、死ぬわけねぇのに)







優しく頭を撫でた。



『大丈夫だ。絶対に殺させないから』



「！……うん」









少し離れて俺は息を吸い込み吐く。






全集中。





空閑滅園(くうかんめつえん)









広範囲を認識できる技。



この町全部を覆い尽くした。








この術の中では全てが俺の領域。









絶対に逃がさない。逃げられない。









『さぁ、鬼さんこちら』



手のなる方へ

21→←19

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す