鬼と人の境界者 ２

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Aside




あれから７日が過ぎた。




(朝には山を出られるはず…なのに)







今はもう日が沈み始めてる。





(まさか、な。)





嫌な思い出が溢れてくる。





俺にとって一番悲しいことは人を殺されること。
……帰ってこないこと。




(俺より左近次の方がたくさん大切な人を亡くしているから辛いはずなのに俺は自分が傷つかないようにここに帰ってこようとしなかった。)








左近次が禰豆子に暗示をかけ始めた。






人間は家族だと。



人を傷つける鬼を許すなと。








俺は禰豆子の頭を撫でた。





『…禰豆子これは俺のお願いだ。暗示ほどの威力はない、ただ聞いてほしい……






《この世界を炭治郎と生き残ってくれ》』







それを聞いていた左近次は俺に聞いた。







「……未来は何が起こるかわからないんだぞ」









『……それでも生きていて欲しいんだ』





その時、禰豆子の目が開いた。








俺を見るなり抱きつく禰豆子。




「ん〜〜！」



『…お、おはよう。禰豆子』




すると俺を引っ張りながら家の外に出る。









『どうしたんだ？…まだ起きたばかりなんだから無理は……！！』







そこには俺たちがずっと首を長くして待っていた炭治郎の姿。






俺たちは強く抱きしめ合った。








「うわああぁ！！Aも禰豆子も起きないからこのまま死んじゃうんじゃないかって…凄く心配したんだぞ！！」







『ああ、ああ！ごめんなぁ、ありがとう、帰ってきてくれてありがとう炭治郎』









左近次の面の下からも涙が流れていた。

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