106. 奇跡の共同戦線 ページ8
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『大ちゃんおめでと〜〜』
「ありがとう！」
『アラサーの世界へようこそ』
「そのようこそはほんまにいらん」
『ふふふ、もう大ちゃんもあたしと正門くんのことバカに出来ひんからな』
「したことないやん」
『なかったね』
お仕事終わったら電話して直接おめでとう言うぞ〜って決めてた大ちゃんのお誕生日。
夕方過ぎには終わるはずやったのに、撮影が押しまくった上に帰り道の道路が渋滞してて、家に着いたのは21時前。
あまりにも疲労が凄すぎてぼーっとしてたら誠也くん帰ってきちゃったし、気づいたら22時過ぎてるし。急いで大ちゃんに電話せなって焦って掛けて今。
ほんまは誠也くん帰ってくる前に電話済ませたかったのにな。いくら今なんも無いとは言え、やっぱりいい気分はせんやろし、あたしもなんかちょっぴり気まずいし。
案の定、電話の向こうの相手がわかった途端に、ソファの背もたれとあたしの間のちょっとの隙間に無理やり入り込んできたお風呂上がりの誠也くん。
『ちょ、せまっ、』
「………」
「A？どうした？」
『あー、ごめん、なんでもない』
「ほんま？ならいいけど」
狂犬が嫉妬してますなんて言われへんし、言われたところで大ちゃん困らせるだけやし。誠也くんにはちょっと我慢してもらって、終わったら構ってあげよ。
「あ、そういえばプレゼント届いたで！」
『ほんま？中見た？』
「見た見た。箱重いから何かと思ったわ」
悩みに悩んだ末、大ちゃんに送ったのは少しお高めの大ちゃんが好きそうなお酒とおつまみセット。
『めーーーっちゃ悩んでんけどさ、大ちゃんやしお酒でいいかなって』
「大ちゃんやしってやめてくれん」
『でもお酒飲むやろ？』
「ありがたく飲ませてもらいますぅ」
『言うとくけどあれやで？れんれんに相談してそれに決まったんやからね？』
「絶対廉の悪ノリやん」
『うん、おもろいからそれでいいんちゃう言うてた』
そんなこと言うくせにきっと自分はいいもんあげてねんやろな。れんれんってそういうやつやもんな。
「Aは今あれなん？ずっと廉と一緒なん？」
『そそ。もうれんれんの人見知り爆発しちゃって撮影一緒の日はずーっと2人でおる、……っっった、』
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作者名：てと | 作成日時：2023年1月29日 17時
