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『ふふ、うりうり〜』
「ちょ、おまえほんまにやめろって」
『んは、せやくんかわい』
「おまえほんまやめへんかったら無理やりやめさすで」
『う、ごめんなさい調子乗りました』
「ん、ええ子」
ぴたっと止まったあたしの頭を撫でる誠也くんの指の動きに、忘れていた眠気が再び襲ってくる。
「Aは？ディズニー行った他になにしとったん？」
『んー、じゅんたくんとでぃずに行ってー、のぞむとドライブしてー、おいしいもん食べてー、のぞむと初詣も行った！』
「A？もしかしてねむたい？」
『んぅ、ねむくない』
「でも目ぇ落ちてきとうで」
『もっとせぇやくんとおしゃべりする』
「でもなぁ、」
『やや！ねむくないもん！おしゃべりするの！』
「わかった。ほんならベッド行っておしゃべりしよか。それならいい？」
『んぅ、いいよぉ』
眠い目を擦ってソファから立ち上がろうとすると、ふわっと体が浮く感覚。眠くて働かない思考では、誠也くんに抱えられてるんやって理解するのに少し時間がかかった。
『わわ！』
「ちゃんと捕まっとかな危ないで」
『ちょ、せやくんおろして、』
「ええやん。すぐそこやし。つうかやっぱお前軽なったやろ？俺おらんとすぐこれやからなあ。ツアー始まったらどうすんのほんま」
よいしょ、と優しくベッドに降ろしてくれた誠也くんと離れたくなくて、首に回した腕をそのままに誠也くんごとベッドに引きずりこんだ。
「えらい大胆なことするやん」
『はなれたくないなあ、なんて、思っちゃたりして、』
「俺、優しいから今日はせんとこうと思ったんやけど？そんなこと言うんや？」
『……いいよ？しても、』
「、なあ、ほんまどこで覚えてくるん、そんなん、」
『せぇやくんしか知らんもん、』
「めっちゃ眠そうな目しとうけど。大丈夫？頑張れる？」
『ん、だいじょぶ。だから、そのー、えっとー、……いっぱい愛して？』
「ほっっんまにさぁ。絶対他のやつに言うたあかんで、そんなん」
『……言えへんよ。せぇやくんだけやもん』
「ほんまかわいい。望み通り、離れてた分いっぱい愛したるから覚悟してな？」
どろどろに愛されてぐずぐずに絆されて、素直に甘えてみるのも悪くないな、なんて思ったお正月最終日。でも次の日のお仕事に支障出るのは困るからたまにでいいかなとも思った。
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作者名：てと | 作成日時：2023年1月29日 17時
