世界は恋に落ちている (ページ6)

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くすくす笑い続けるすえざわくんの笑顔はやっぱりかわいい。男の人にかわいいって言うのもどうかとは思うけど、かわいいって表現が一番合うと思う。
ずっと笑われてるのがなんとなく悔しくて、軽めに掴んでいたすえざわくんの裾をギュッと握り直した。

「お、急に積極的や」

『……ちょっと楽しんでるでしょ』

「Aちゃん見てるの飽きひんねんもん」

『それ褒められてます？』

「めちゃめちゃ褒めてるやん」

『絶対うそや』

「俺信用無さすぎちゃう？」

外で雷鳴が聞こえてくる度に跳ねるあたしの肩に気づいているのか気づいていないのか、その後もすえざわくんは途切れることなく会話を続けてくれて。
すえざわくんと話してるからなのか、単純に隣に人がいるからなのか、いつもほどの怖さや不安感はないような気がした。

「そういえばAちゃんていくつなん？」

『24歳ですね～。正門くんと同い年です』

「あ、そうなんや？ほんなら年下か」

『すえざわくん何歳なんです？』

「俺？俺26。Aちゃんの2個上」

『え"っ"』

「どっから出たん、今の声(笑)」

『良くて同い年かあわよくば年下やと思ってました…』

「うそやん、ほんならなんで敬語なん(笑)」

『正門くんが敬語やったから？』

「そんな理由？(笑)」

『めっちゃ若く見える、……スキンケア何使ってます？』

「別になんもしてへんよ(笑)」

『うそや～～！絶対なんか特別なことしてる…！』

絶対うそや。絶対なんかしてるやん。じゃないとこんなお肌ぷるぷるちゅるちゅるなんありえへん。

すえざわくんの若さの秘訣を疑ってまじまじ顔を見てるとスマホが通知を告げた。送り主はもちろんお迎えを頼んだ望。ちらっと外を見てみれば、見慣れた照史くんの車が停まってた。

「あ、迎え来た？」

『はい、結局最後まで付き合ってもらっちゃってすみません。ありがとうございました』

「ええよ。Aちゃんといっぱい話せたし俺も楽しかったわ」

『っ、じゃあ、残りも撮影頑張ってください』

なんとなく、ほんまになんとなくちょっと寂しいなーなんて思いつつも、すえざわくんに背を向けると、突然掴まれた右腕。

『、え？』

「あ、やば、」