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そう言いながらソファで膝を抱えるあたしの隣に座った誠也くんにぎゅっと抱きしめられる。代わりに床にポイッと投げ捨てられたサメのぬいぐるみ。あ、サメかわいそう。
すっかり嗅ぎ慣れた誠也くんの甘い香水と煙草の混じった匂いが、不安や恐怖で乱れていた心の中をスっと落ち着かせてくれる。来てくれたのが嬉しくて、背中に回された腕に応えるように、あたしも誠也くんの背中にそっと腕を回した。
「遅なってごめん」
『んーん、だいじょうぶ。来てくれてありがとう』
「どしたん、えらい素直やん(笑)」
『いつでも素直ですぅ』
「はいはい(笑)……A？泣いた？」
『え？あ、あーー、泣いてない、よ？』
「いつでも素直なAちゃんどこいってん」
『うそです。ちょっとだけ泣きました』
「そんな怖かった？音やばかったもんなあ。ごめんな。もう俺おるから大丈夫やで」
『いや、えっと、うん、そうやねんけど、』
「ん？なに？言うてみ？」
『気紛らわせようと思って狼煙見てたらね、誠也くんに会いたくなってね、でもわがまま言われへんしなあって思ったら寂しく、なっ、ちゃった、』
「………」
『せやくん……？』
背中に回された腕はそのままに、少し体を離したかと思えば、ぽかんとした顔の誠也くん。
やってもうた？今のはさすがに引かれた？重い女やと思われた？
「ふは、なにそれ(笑)めっちゃかわいいやん(笑)」
『…かわいくないもん』
「かわいいよ。めちゃくちゃかわいい。俺に会いたくて泣いちゃったんや(笑)」
『あかん。恥ずかしい。言わんといて』
「自分で言ったんやん(笑)」
『そうやけどぉ……』
恥ずかしさのあまり熱くなる顔を見られないようにちびぬいで隠した。絶対今顔真っ赤や。恥ずかしすぎる。
「A？顔見せて？」
『ぜったいいや』
「なんで？」
『絶対顔赤いもん、むり』
「赤い顔したAもかわいいで？(笑)」
『うそや！笑ってるやん！』
「笑ってへんから(笑)」
『笑ってるもん〜〜！』
「俺、自分のぬいと見つめ合うの嫌やねんけど(笑)」
『あたしのこと見んでいいからちびぬい見といて』
「こら、隠すなて」
ちょっと力入れれば簡単にあたしの腕なんて動かせるやろうに、それをせえへんのは誠也くんなりの優しさなんかな。でも絶対見られたくないこんな顔。
そうやって強がりながら押し問答をしてた瞬間、今日一番の明るさで外が光って数秒後、文字通り怒号のような雷鳴が轟いた。
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てと(プロフ) - 大変失礼致しました。設定変更させて頂きました。ご指摘下さった方々ありがとうございました。 (2022年10月22日 14時) (
レス) id: c558a54b1b (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雲 - オ.リ.フ.ラ立ってます、、！外さないと違反になってしまいますよ〜^^; (2022年10月22日 12時) (レス) id: 375c64130e (このIDを非表示/違反報告)
オシヒカリ(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ… (2022年10月22日 10時) (レス) id: dcc6542c5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てと | 作成日時：2022年10月22日 2時
