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「この企画、俺絶対誠也くんに殺されると思うねんけど」
『大丈夫。なんとしてでもこの号の存在は知られへんようにするから』
「無理やろ。本屋とか行ったら目入るやん。それか大晴が騒ぎ出すかやな。Aのこと大好きやん」
『せやねん〜！嬉しくてたいちぇくんと会うといっつも甘やかしちゃう』
「甘やかしすぎるから誠也くんが大晴に八つ当たりすんねやろ？ていうかあの人のことやから絶対どっかから情報仕入れてくんで」
『え、どうしよ。どうにかして次の号出るまで本屋さんとかコンビニとか入らんように出来ひんかな？』
「諦めなさい」
『え〜〜』
どうにかこうにか誠也くんの目につかないようにと考えるものの、どれも現実的じゃないし無理があるし、最終的に拗ねだす誠也くんの図しか頭に浮かばない。
やっぱ諦めるしかないんかな〜？でも拗ねると誠也くんちょっとめんどくさいからな〜。年上やねんから我慢してほしいとも思うけど、あたしが逆の立場やったらお仕事なの分かっててもやっぱり嫉妬しちゃうから仕方ないかなとも思う。
「Aさん？」
『はい？』
「さっきから誠也くんのことばっかりちゃう？」
『あ、ごめん。お仕事集中せなね』
誠也くんへの対応ばっかり考えてたから大ちゃんのことほったらかしにしてた。あかんあかん。いくら自由にしていいとは言えお仕事中やねんから。
「そうじゃなくて」
『え？』
「今日は俺とのデートやねんから誠也くんのこと考えるのはやめてって話」
『ん？』
「よし。今日1日だけ恋人に戻ろ。あの時以上に恋人らしいデートしよ。はい、決定」
『え？は？』
何が決定なのか、恋人に戻るとはなんなのか。真剣な顔した大ちゃんの決定に戸惑っていると、空いていた左手を絡め取られ恋人繋ぎをする形になった。
少し離れたところでは、カメラマンさんの「いいね！恋人らしくなってきた！」と大絶賛する声が聞こえてくる。
『大ちゃん？』
「デートやねんから当たり前やろ？」
『いや、うん、そうやねんけど、』
「誠也くんのこと考えてるA、めっちゃ幸せそうでちょっと嫉妬した」
『な、え！？』
「あ、ちゃうで？未練があるとかじゃないで？俺の時そんな顔してくれたことあったんかなってちょっと悔しくなっただけやで？」
『あ、うん。うん？』
「せやから、今日は1日、俺とのデート楽しんで？あの頃の思い出全部上書きするぐらい楽しいデートにするから」
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作者名：てと | 作成日時：2022年9月3日 5時
