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東京での番組収録。
一通り準備も終わって収録開始までまだ時間がある。クイズの予習でもしとこうかなってパソコンを開こうとしたら、楽屋の扉がノックされた。
「はーい、どうぞー」
『おじゃましまーす』
スタッフさんかな？って思って目線はパソコンのまま軽く返事をする。
ゆっくり開かれた扉の向こうにいたのは、ついこないだまで栗色やった髪をミルクティ色に染めたAちゃんやった。白い肌に映えるその綺麗なミルクティは、毛先を巻いてるのもあって彼女が動く度に揺れて目を奪われる。
「Aちゃん！」
『えへへ、今日たいちぇくん一緒やって聞いたから遊びに来ちゃった。入っても大丈夫？』
「もちろん！Aちゃんは？大丈夫なん？」
『メイクとか全部終わってもうあと着替えるだけなんやけどまだもうちょっと時間あるやん？暇やからお話しよ？』
こんなにかわいくお願いされたら断るなんてできるわけが無い。Aちゃんから来てくれたのが嬉しくて、ニヤケそうになる顔を必死に抑える。
「髪の色変わってるやん」
『もうすぐドラマの撮影始まるからイメチェン！』
「そんな派手な色でいいん？(笑)」
『監督さんに見た目はAちゃんに任せるよーって言われたから派手にしちゃった！』
「Aちゃん肌白いしめっちゃ似合ってる」
『もうまたまた〜！たいちぇくんお世辞がうまいんやから〜！』
「ほんまやって！ほんまに似合ってる！」
『えへへ、ありがとう。でもほんまはね〜、誠也くんがちょっと前にしてたピンクにしたかったんよね〜。あの色かわいいやん？でもさすがにピンクはな〜って思ってやめちゃった』
「誠也くんには見せたん？」
『んーん、まだ見せてない。昨日信長の撮影終わって速攻染めてきたとこやからマネージャーさんとヘアメイクさん以外は誰にも会ってないんよ。やからそういう意味ではたいちぇくんが一番最初！』
「え、俺が一番なん……？」
必死で堪えていたポーカーフェイスも意味を成さず。今めちゃくちゃ情けないニヤケ顔してると思う。だってそんなん、一番なんて言われたら嬉しいやん。
『たいちぇくんめっちゃニヤけてる(笑)』
「だってAちゃんの一番やで？嬉しいに決まってるやん！」
『あ、誠也くんには内緒ね？次会う時のサプライズにするから』
「わかった、内緒な(笑)」
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作者名：てと | 作成日時：2022年9月3日 5時
