アルストロメリア (ページ18)

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17. 未来を創る僕らの手のひらページ18

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明日の台本チェックも一通り終わって息抜きがてら、溜まってる動画の編集をしてるとラインの通知音が鳴った。送り主を見てみれば珍しく正門くんから。

"Aちゃん今電話掛けても大丈夫？"なんてこれまた珍しいメッセージが来てたから大丈夫やで～って送り返すとすぐに既読になり、それから間髪入れずに着信が来た。

『はいもしもし～？』

「あ、Aちゃん？ごめんやで、突然」

『んーん、大丈夫やで？どうしたん？なんかあった？』

「あのな、単刀直入に聞くな？Aちゃん、今日の動画で弾いてたギターってどうしたん？」

『……はぇ、？』

こんな時間に正門くんから電話なんて、もしかして誠也くんになんかあったんかな、大怪我したとか、最近忙しすぎたから倒れたんじゃないかとか、いろんなことがぐるぐるぐるぐる回ってたもんやから、予想外の質問に過去一まぬけな声が出てしまった。

「Aちゃん？大丈夫？」

『あ、ごめん。大丈夫。えっと、なんやっけ？』

「今日のAちゃんの動画、ギターの弾き語りやったやんか？」

『あ、見てくれたん？ありがとう』

「いえいえどういたしまして。あれで使てたギターってさ、」

『えーっと、今日のは確か……』

ついさっき予約投稿で上がったばかりの自分の動画を見返して確認してみる。アコギばっかり弾いてるし、たまにはエレキも弾いてみようかなって撮ってみた動画。画面の向こうに映る自分が持ってるのは、緑のボディにいろんなところにステッカーが貼られたフェンダーのストラトキャスター。……っていうらしい。ギターの種類詳しくないからさっぱりわからんけど。

『ああ！これね、すーくんに貰ったやつ』

「すーくん……！」

『あ、ごめん、渋谷すばる、知ってる？わかる？』

「知ってるよ！わかるよ！当たり前やんか！」

すーくんの名前出した途端、電話越しでも分かるほどに大興奮の様子の正門くん。遠くの方から、たいちぇくんの「まっさんうっさい」の声が聞こえてきた。

『たいちぇくんも一緒なん？』

「え？あ、そうそう。一緒に見ててん！そんなことより！」

「え、そんなことってひど」

正門くんたまに道端に捨ててきたんかってぐらいデリカシーない時あるからなあ。なんも悪いことしてないのに蔑ろにされたたいちぇくんかわいそう。あとでなぐさめてあげよ。