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「わかるわー、あいつの気持ち。めっちゃわかる」廉さんはうんうん、と何度もうなずいた。
「え、やっぱ私が悪いですか？」
「いやぁ？ 別にどっちも悪くはないんちゃう？ けどお前、ちょっとはあいつの気持ちも考えたれや」
全然わかんないんですけど、と呟く私に、「ええか、浮所」と廉さんは作業台から下りた。
「男ってのはな、見栄っ張りな生き物やねん」
「……はぁ？」
「自分が優位に立ちたいとかそんな気はさらさらなくても、心のどっかでは自分が彼女を引っ張っていたいって思っちゃうの。本能みたいなもんよな」
私は眉根を寄せ、首をかしげた。
「それができないことが、あいつは不安なんだよ」
「……でも私、さくちゃんの方が一枚上手だなって思うことばかりですよ？」
「それでも年下ってのをどっかで負い目に感じてて、何かの拍子に、浮所に比べて自分は子供だって感じることがあんじゃね、きっと。そんで不安になって早く大人になりたいと思うのに、高校生らしくいろとか子供扱いされて、そりゃ意地も張りたくなるわ」
私のために大人になりたい、と言ったさくちゃんの言葉を思い出した。
廉さんは遠い目をする。「俺も年上と付き合ってた頃、そやったな〜。男として彼女を引っ張らんとって思い込んでた。今の時代、男だろうが女だろうが関係ないんは分かってんやけど、どしてもなんか思ってしまうんよな」
私は、廉さんに手渡されたコーヒーをじっと見つめた。
「それなのに人生経験もなんもかんも向こうが上やから、かなわんな〜って思うことばっかで。一皮剥ければ別にええかって開き直れるけど、18やそこらの時って変なプライドあるからな」
「……それなら私」
おもむろに口を開いた。「彼のプライドを傷付けちゃったってことですよね。謝らなきゃ」
廉さんが慌てたように声を一段高くする。「やめとけ。そんなんしたら逆効果やで。ちょっと待ったりーや」
「けど、もう１週間も連絡取ってないんですよ？ こんなこと付き合ってから初めてだし、このまま自然消滅なんてことになったら……」私は再び帳簿に顔を埋めた。
あるかそんなこと、と毒づいた廉さんは、私に顔を近付けて囁いた。「それよりあいつ、最近やばない？」
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真澄(プロフ) - 浬さん» コメントありがとうございます。5年前のいがさくのお話ですね！ちびさくにお兄ちゃんぶるガリさん書いててすごく楽しいので、読んで頂けたら嬉しいです♪ (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 0317dce8be (このIDを非表示/違反報告)
浬(プロフ) - 仲直りはチョコの味キュンキュンしました！今回は昔のいがさくのお話ですかね？わくわくします(^ ^) (2021年2月22日 13時) (レス) id: 2a1dda425f (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 爽さん» コメントありがとうございます。キャンパスライフ早く書きたいのですが、DKたちを卒業させるのももったいなくて悩ましいです(笑) (2021年2月13日 21時) (レス) id: d37291436f (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 浬さん» お久しぶりです！コメントありがとうございます。雪の降る日はけっこう直感で書いたのですが気に入って頂けて良かったです♪今回のも楽しんでもらえたら嬉しいです！ (2021年2月13日 21時) (レス) id: d37291436f (このIDを非表示/違反報告)
爽 - またまたお久しぶりです。仲直りはチョコいいですね！更新待ってますね。大光君とのキャンパスライフも楽しみです(^^) (2021年2月11日 11時) (レス) id: 5e1c872bd2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2021年1月15日 16時
