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さくちゃんは「あまぁい」と顔をほころばせてから、「たしかに、ちょっとすっぱいね。今まで気が付かなかった」ともぐもぐ咀嚼した。
前から思っていたけれど、さくちゃんは何かを食べる瞬間だけ幼くなる。
普段はシュッとシャープな輪郭をしているのに、食事中にのみリスのように柔らかそうな丸い頬袋が出現するのが不思議だった。
そこだけが、以前に写真で見せてもらったお餅時代の幼少期の名残りのようだった。
「文化祭の準備、進んでる？」
咀嚼のたびに左右に広がる彼の頬を見ながら、私は口を開いた。
「ぼちぼちって感じ。直前には誰かの家で徹夜することになりそうかな。衣装とか全然縫えてないし」
さくちゃんは再びキャンディチップを付けたスプーンを私に渡して、「一人暮らしだから、俺ん家だろうな」と苦笑した。
「さくちゃんのクラスは、執事喫茶だっけ？」
夕食時のさくちゃんと飛貴の会話を思い出す。
「そう。クラスの奴らが、女の子にモテるのは執事しかないって言い張ってさ。俺は浮所たちのクラスみたいに、本当はおばけ屋敷とかが良かったんだけど」
「さくちゃん、ホラー苦手って言ってなかった？」
「入るのは嫌だけど、おばけ屋敷の仕掛け的なものには興味ある」
さすが理系だと思った。
さくちゃんはレジ袋の上に頬杖をついて呆れ顔になった。「男子校の男なんて、いかに女の子にモテるかしか考えてないからさ」
「さくちゃんは違うってこと？」
「俺は違うよ」
かっこよく断言したさくちゃんは、私の方を向いたと思ったら、「……いや、違わないかも」と急に歯切れが悪くなり頬杖を解いた。
「どっちなの」私はあははと声に出して笑う。
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真澄(プロフ) - みおさん» 大ファンだなんて嬉しいです！これからも頑張って書いていくのでよろしくお願いします！！ (2022年6月10日 16時) (
レス) id: 1390cae94a (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 真澄さん、もう大ファンです！odi et amoといい、もう！作風好きすぎます！涙 (2022年6月7日 18時) (レス) @page37 id: a084972b78 (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - あーるさん。コメントありがとうございます。どうか優斗の活躍を見届けてあげてください！今後も感想などお待ちしております！ (2020年10月8日 20時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
あーる - 初コメです！優斗くん、、、なんでいい子なんだろう涙出そうになりました（ ; ; ） (2020年10月7日 23時) (レス) id: f659d4fa7b (このIDを非表示/違反報告)
真澄(プロフ) - 乃愛さん。コメントありがとうございます。ここからゆうぴの見せ所になる予定なので、引き続き楽しみに読んで頂けたら嬉しいです！ (2020年10月7日 21時) (レス) id: 4d011ee698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真澄
| 作者ホームページ：https://twitter.com/masumi_chu
作成日時：2020年9月12日 11時
