03.例えるなら ページ3
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｢何回目？｣
立てる？と聞かれて首を縦に振ると、そっかと微笑んだ平野くんが立ち上がった私に間髪入れずに聞いてきた。
お陰で私の腰から思わぬ事を聞かれたことに驚いてボキッと音が鳴った。痛い。
あぁもう、あいつら本当に恨んでやるんだから。
『…えっと、何が？』
｢あーゆーの。｣
"あーゆーの"
そのあーゆーの、はどこまで含まれるのだろうか。
優太に渡してくれって手紙を渡されること？
それとも優太との関係で妬まれること？
でも手を出されたのは、今回が初めてだ。
『今日が初めてだよ、だからたまたまなの』
たまたまイライラしてた。たまたま平野くんが通った。
たまたま私が初めて手を出された瞬間に出くわした。
全部、たまたま。
｢更級さんって分かりやすいね｣
あまりに笑うから不思議で仕方なくて首を傾げれば
更に大きく掠れてほぼ聞こえないくらい高くなる笑い声。
この人のツボどうなってんの？
分かりやすいって、何？
いやどこが？なんで笑ってるの？
平野くん私の名前知ってたの？
どうしよう、疑問しか浮かばない。
｢更級Aちゃんでしょ？委員会同じだよね｣
『え、』
「え、って今声出てたけど(笑)｣
『…全部？恥ずかしい』
｢俺、1回関わった人の名前は絶対忘れないの｣
自慢なんだ、と平野くんが楽しそうに笑う度に
金色に染まった髪が私を見る度に揺れる。
笑顔は爽やかなのに、正反対みたいに象徴的な髪色。
あまりに見ていたせいか平野くんが
｢俺の顔なんか付いてる？｣と笑う。
その瞳に、その声に、その全てに。
魅せられた人はきっと沢山いるんだろう。
例えるなら、ライオンみたいだなって。
縄張りを持ち、常に群れで生きるライオン。
彼は群れてはないし、縄張りがある訳でもない。
だけどどこかが、分からないけどどこが
彼に似ていると思った。思ったんだ。
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mun(プロフ) - このお話大好きです！これからも楽しみにしてます！ (2020年10月26日 17時) (
レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - コメントありがとうございます！パスワードは作品を見て頂ければ分かると思います。 (2019年1月3日 13時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みさと(プロフ) - パスワード知りたいです！ (2019年1月3日 12時) (レス) id: f4a3a3a2e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2017年9月10日 9時
