13.神出鬼没 ページ13
┈
｢えー！A着ないの！？
なんでも似合うと思うけどな〜｣
『私は着ませーん！
慎ちゃん着ぐるみ着ればいいじゃん、似合いそう』
コスプレ喫茶に決定したうちのクラスは
今度はなんのテーマでやるかで賑わっていて。
やだよ！俺もっとかっこいいやつやんの！と大袈裟に笑う慎ちゃんは、購買で買った今にも手から溢れそうなくらいなパンを私の分まで抱え持ってる。
前を歩いてる慎ちゃん
…最近ちょっと横に大きくなった気がする。
いや！本人には言わないけど。
6限体育だっけ、だるいな〜と思いながら
階段を駆け上がって出た廊下を歩いていると
横からグイッと腕を掴まれた。
近付いた距離と、甘い香りに思わず顔をしかめる。
｢ね、思ったよりすぐ会ったでしょ｣
『…っ、こんにちは。平野くん』
｢なんでそんな、よそよそしいの？｣
ふふって笑ってるけどなんでって
『女たらし、なんでしょ』
｢へ？｣
『毎日女の子取っかえひっかえしてるって聞いたもん』
今度は少し驚いた顔の平野くん。
あの後ちゃんと奈子ちゃんにあったこと話して聞いたの
奈子ちゃんは私より学校内のことに詳しいし
人数も多いダンス部に入ってて顔も広いから。
そしたら
｢あの平野くん？大丈夫だった？｣
『大丈夫だったけどそんな心配される様な人なの？
それにあのってなに、あのって。モテるから？』
｢Aってほんとに岸くんのこと以外興味無いよね…
いやそれもそうだけどだって平野くんって、｣
"告白してきた子は来る者拒まずで毎日女の子取っかえひっかえしてるって"
取っかえひっかえって、ソーユー意味だよね。
…そんな人には見えなかったんだけどな。
危ない目に遭わせたくないから確かにモテるけど！顔も性格もいいけど！あんま関わらないように！って。
どんな人か、まだ分かんないのに。
平野くんの表情がちょっと困った顔に変わる。
眉毛下がった。傷、つけた？
やっぱりこの人が女たらしなんて信じられない、かも
｢A？なにしてんの？｣
『ん、ごめん今行くー！』
もうだいぶ前を歩いてた慎ちゃんの声でハッとする。
握られた腕を躊躇いながらゆっくり払えば
元気なさそうな平野くんにちょっと胸が痛む。
『ねぇ慎ちゃんー』
｢んーなんだA｣
ジンは委員会だし奈子は休みで居ないから一緒に食べよう
って言ってくれた慎ちゃんと買ってきたパンを手に取る。
『平野くんって知ってる？』
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mun(プロフ) - このお話大好きです！これからも楽しみにしてます！ (2020年10月26日 17時) (
レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
夏(なの)(プロフ) - コメントありがとうございます！パスワードは作品を見て頂ければ分かると思います。 (2019年1月3日 13時) (レス) id: d826207ec4 (このIDを非表示/違反報告)
みさと(プロフ) - パスワード知りたいです！ (2019年1月3日 12時) (レス) id: f4a3a3a2e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏 | 作成日時：2017年9月10日 9時
