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93 懇願 ページ43








幸「…」


『……』


精市は話しがてら〜とか言ってたくせに、
何故かお互い無言のままカチャカチャとベンチを組み立てる音だけがしばらくの間、響いていた。


しかも精市はただ真剣に部品を組んでいる様で、私の方を見ることもなく淡々と作業を進めていく。


別に何もないんだけど、なんでだろう。ちょっと気まずい…



幸「うん、できた」


『…!え、もう?』


精市があっという間に最後の一台完成させ、そのまま自身が組み立てたベンチに腰掛けるなり、私の方を向いて口を開いた。


幸「ところでさっき一緒にいたのは四天宝寺の白石だね。何を話していたの?」


ゆっくりと足を組みながら私にそう問いかける。
どことなく尋問されている様な空気に少し身構えた。


『え?いやー…。実は11月から四天宝寺に来てほしいって言われちゃってさ。まぁもちろん断ったんだけど』


緊張を紛らわす様に予備の部品をいじりながらそう答えると、
精市はピクリとも動かずにふうん、と声を漏らす。



幸「そっか…合宿でも声がかかるとは流石だね。
まぁ俺が気になったのは、連絡先を交換してた事なんだけど」



『え??』


そっち?



精市は少し切なそうに私の目を見続けている。


『…それは、白石君にせめて連絡先だけでも〜って言われたから交換はした、けど』



内心ビクビクとしていたのが伝わったのだろう、
精市は立ち上がると私の隣に来て座り込んだ。


幸「そっか…さっきも見ていて思ったけど、よっぽどAさんの事が欲しいみたいだね。なんだろう……流石の俺もここまで来ると少し心配になってしまうよ」


『…あはは、大丈夫だよ。少なくとも私は立海を離れるつもりはないし立海の皆の事も、精市の事も大好((幸「本当に?」


安心して欲しくて言った言葉を遮られ、
驚いて精市の顔を見ると、何とも言えない表情で私を見ていた。

よく見ると小さく唇を噛み締めている。



…何、そんなに不安だったの?



『本当だよ。だから安心して』
 

一気に緊張が解けた私は、笑顔でそう答える。



幸「…わかった。すまないね、気を遣わせて」



なかなか弱みを見せない人だとは思っていたが、
初めて見るその表情に迂闊にも愛おしさを感じた。

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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時

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