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＊
人の良さそうな声に振り向く。
『エーミールさん』
「宮本さん、昨日ぶりですね」
お互いにお辞儀をする。
知り合いなん？というトントンの問いに、昨日少し話したんです。と割愛して答えた。
「そうだ、エーミール。大正とか明治らへんの本ってない？写真多めの」
トントンの注文を聞き、エーミールさんは、それなら此方に。と案内してくれた。
どうやら、写真が多めの本は通常の歴史書コーナーとは少し外れた場所にあるらしい。
「これとかどうですか？」
「ええ感じやな」
『ありがとうございます…！詳しいんですね』
「エミさんは大体図書室におるからな」
あまり図書室に来ないせいか知らなかった。
エーミールさんは、他にも数冊オススメの本を渡してくれる
『この学校、図書室すごく広いですけど…もしかして本の場所、全部覚えてるんですか？』
「流石に全部とはいきませんが…大体ならわかります」
『すごいですね…！特に歴史の本なんて量が多くて、覚えるの大変そうなのに』
「それは生徒会長の趣味ですね」
生徒会長…？そういえば、さっきトントンも、グルさんのせい、とか言ってたような…。
「この図書室、グルさんの趣味の本置くために大きく改築したんやで」
『え…？！生徒会長のためだけに…？！』
この学校、やたらと生徒会が主体的で権力があるとは思ってたけど…構内の設備までいじれるの…？
軽く引く私に、同意するようにトントンは項垂れる。
「実はグルさん、この学校の理事長の息子なんやけど…」
『え、』
なにそれ初耳。
驚く私に、エーミールさんは、結構有名な話ですよ。と囁く。
『う…、勉強不足でした…』
「グルさんも詮索されるの嫌いやろうし、むしろ知らないほうがええと思うで」
「にしても、すごいですよね…息子のために図書室改造なんて。私にとってはありがたかったんやけど」
エーミールさんの感嘆の声に頷いて同意する。
「今度は文化祭の時に本物の戦車を飾りたい、なんて我儘言い出すからホンマに…」
『実現しそうなところがまた怖い…』
「それなんよなぁ…。あの人、学力はダントツやし、指導力もあるからまた会長になるやろうし…」
今年は乗り切れたけど来年は…。
ゲンナリと疲労を露わにするトントンを、エーミールさんと労う。
会長、想像よりもぶっ飛んだ人なんだなぁ…。
続く (更新停止中)
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悠(プロフ) - 自分が設定してた自分の名前と彼氏の名前が一緒でややこしい事になってましたw奇跡。小説めっちゃ面白いです (2021年5月19日 23時) (
レス) id: 7e4efb4011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆだ - 面白いですね (2021年3月1日 17時) (レス) id: e2d5e79f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - コメント失礼します。すごく面白いです！続きが気になるので更新いつまでも待っています！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4b52fa3010 (このIDを非表示/違反報告)
カコ(プロフ) - コメント失礼します！このお話大好きです！更新待ってます！ (2020年11月3日 0時) (レス) id: e319902130 (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - とてもいいお話ですね、読んでいて楽しかったです。更新はいつまでも待っています。頑張ってください！ (2020年8月16日 10時) (レス) id: c162b9accc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこ | 作成日時：2020年3月27日 22時
