君の声 part2

69 ページ23

マネージャーの言葉に頭がついていかない俺



「…何言ってんの？」



右隣から聞こえる大輝の低い声



それと同時に




マネージャーから差し出される写真




それを見たメンバーは深刻な表情に変わる



「想太、説明して」



全員の視線は赤髪に注がれる



“Aと会って話し合いしてん



その時の写真”




『熱愛って言うのは…？』



少し震える声




“その時に付き合おうってなったんです”




その言葉に目の前が真っ暗になる



その様子を見ていた大輝が




「徹、ちょっと外行こうか」




俺を引っ張って部屋の外に連れ出し



部屋の近くの椅子に座らせ



大輝は横に静かに座り



落ち着いた声で話しかける



「この話は知ってた？」



俺は首を横に振る



「.…だろうね」



するといきなり鳴り出す携帯




取り出してみると“A”の文字



「この話のこと聞いてみたら？」



『本当だとしたら俺が受け止められない』



「嘘の可能性は？」




『そう信じたいけど…正直俺が縛り付けてる様なとこがあったんだ』




「でも、この前お前を選んだんだろ？」




『嘘じゃなければ…だけど』




「信じてあげたら？」



最愛の人の名前を見つめるも



そんな気分にはなれなくて



親指で右横のボタンを押す



「いいのかよ」





『今は…話す時じゃない気がするから




…俺が落ち着いてからかな』




そう言って俺は画面を真っ黒にした

70→←68

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す