カフェオレ。*03 (ページ23)

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恋愛中毒《Sside》ページ23

12:05。まだまだ空席が目立つキャンパスカフェにて。

俺は机に突っ伏して、いつもの言葉を吐いた。

「あ"ーっ…恋したぁい…」

「してるじゃん。翔ちゃん、彼女出来たんじゃないの？」

「“彼女”になっちゃったもん…」

そういった俺を、雅紀が呆れたように見る。

「…もう別れたの？」

「んーん、まだ。でも、時間の問題かもね」

「かも、じゃなくて、そうなんだよ」

俺は、恋愛が好きだ。

だけど、欲しくて、欲しくてたまらない人を手に入れて“しまった”とき、興味が引いていった。

なんだ、こんなもんか。なんて思いながら。

「んー…どうしたら翔ちゃんの、その悪癖を直せる人に出会えるかなー？」

「悪癖って…。男とも付き合ってみたけど、ダメだったよ」

「えっ、マジで！？」

「うん。オネエさんもダメだった」

ひょぇええ、なんて、日本語かどうかも危うい悲鳴をあげている雅紀には、、

「『にの』さんの知り合いにいないの？かっこいい人」

“彼女”じゃなくて、“彼氏”がいる。

その彼氏の名前をあげた途端、雅紀が僅かに頬を赤らめた。

「ん…聞いてみる！」

雅紀の彼氏の『にの』さんは、マジックバーで働いてるマジシャン。

雅紀曰く、「ツンデレで可愛くてとんでもなくかっこいい人」らしい。

雅紀が『にの』さんの話をしているときは、とても幸せそうで可愛らしくて。

俺が唯一全てをさらけ出せる親友に、そんな顔をさせられる『にの』さんに、

少しだけ嫉妬している…こともなくない。