検索窓
今日:57 hit、昨日:96 hit、合計:213,963 hit

策士なきみは(蓮) ページ22

.



『うーん…』


「ん〜?なんか悩んどる?」


『ふむ…』


「あんまり声に出してふむ…って言う人おらんのよ」


『ふふっちょっと笑わせないで!』


「アヤが言ったんよ!笑」




キュッキュと喉を鳴らせながらふにゃりと笑う彼


久しぶりのオフの日、どこに行くでもなく家でまったりとした平和な時間が流れる。


たしかにふむ…って言う人いないよね

小説の中だけだもんね。推理の。




彼はテーブルで最近買ったビーズを並べて何かを作っている様子。

私は少し離れたリビングのソファに腰掛けながら、楽しそうな彼を観察中。



離れていても会話は続くしテンポがいいから心地いい。彼の頭の回転が早いからね



隣にぴったりくっついていなくても心は繋がってる感じ、落ち着く。





『蓮のね、呼び方を変えてみようと思って』


「それ付き合いたての頃にすることだねぇ」


『それをね、ずっと考えてるの。いいのないかなって』


「ふむ、候補はあると?」


『ふむ気に入ったの?』




普通なら急に何なんだとなるかもしれないのに、

候補ちょうだい、と嬉しそうにこちらを向く彼はなかなか私に甘い。



手招きをされたので彼の元へ行き、椅子に座る彼の後ろから力を抜いて抱きついた。


ふむ、今日も細い。





『蓮くん』


「最初はそれやったよね。アヤ左の手貸して」




『川尻先輩』


「後輩になったと?笑」




『しりしり』


「にんじんなんよそれ」




さすが蓮、今日もツッコミが冴えてる。


蓮が笑うたびに抱きついてる私まで揺れるからやめてほしい。

でも笑うのはやめてほしくない。



あまりスキンシップを好まない…というか、無駄にベタベタするのが好きじゃないから、そろそろ離れた方がいいかもしれない。

ほぼ全体重を乗せていたから蓮が潰れてしまう。それはまずい。




そっと身体を離そうとすれば、


できたぁ!と嬉しそうな高い声。



こちらを振り返る緩んだ顔と目が合い、結局そのままの体勢のまま固まった。





『…うん?』


「ふふ、アヤに作ったんよ。似合っとーよ」


『…あ、うそ!いつのまに!』


「気づいてなかったと?笑」



先程出した左手に、可愛らしいビーズのブレスレットがつけられていた。

ちなみにおそろい、と彼が見せた腕にはよく似たものが。




これでどこにいても繋がっとーねって


…ほんと、甘いなぁ。









『なんで左手なの?』


「…大事なときのためやけん、待っとって?」




.

幸せデート日和 2 (汐恩)→←砂糖多め、甘々注意(許)



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (273 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1370人がお気に入り
設定タグ:JO1 , INI
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らん | 作成日時:2021年9月20日 4時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。