砂糖多め、甘々注意(許) ページ21
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カフェでバイトをしていた時に出会った彼と付き合って半年。
大学の合間に毎日のように通ってくれて、お会計の時に少しお話しして
辿々しかった日本語もとっくに流暢になったみたい。
優しくて綺麗で、とってもいい人…なんだけど
最近ちょっと、悩みがあって。
『ねぇ、こっちとこっちならどっちが好き?』
「アヤかわいいからどっちでも似合うね」
『…どっちが好き?』
「どっちのアヤも好き」
『もう、まじめに聞いてるのに!』
こんな調子でいつも私に甘々すぎるのだ。
ふぇんふぇんもまじめに言ってるよ、と首を傾げる彼の目からは嘘を感じないし、本当に思ってくれてるのはわかるけど…
なにしろ甘すぎて、慣れない。
出会った時から、"髪がかわいいですね"とか"笑顔がすきです"とか、
まるで私に言うために覚えてきました感満載の褒め言葉をたくさんくれていたけれど
付き合ってからは褒めが爆発してる。
「ほんとにかわいい。なんでそんなかわいい?」
『…かわいくないし』
「かわいすぎておかしくなりそう」
『もうおかしいよ』
「そう?」
にっこり、愛おしそうな笑顔を向けてくる彼
彼女としてこんなに愛される分には文句なしなんだけど、だけどね
慣れてるなぁ、って思っちゃったりして…
でも前に木村くんと話す機会があった時に、
「フェンファンは俺に対しても甘いから、そういう人なんだと思うよ笑」
「大事にされてるってこと」
と言われたから、誰にでもというより、彼は人に対しての愛が強い人…なんだって。
ストレートに愛を伝えてくれるところに落ちた私は何にも言えないね。
「なに考えごとしてるの?こっち向いて」
『ん〜?…あ、そうそう。この前木村くんと会ってね、少しだけ話したんだけど』
「…柾哉?」
『フェンファンのことすごく褒めてていい人だったなぁ。
フェンファンも木村くんが好きって言ってたもんね〜』
「…だめ、アヤ」
明日のデート用の服を選びながら話をしていたから、
彼が目の前に来ているのに気がつかなかった。
低く耳元で呟かれた声に固まってしまい、持っていた服がパサっと落ちる音がした。
「…俺は柾哉も好きだし、アヤは愛してるけど
でもアヤが柾哉を好きになるのは、許さない」
『…ならない、よ』
「俺の、アヤだもんね」
彼の目の奥に潜む黒いものを見ないふりして、落とされる無数のキスを受け入れた。
惚れたが負け…だもんね。
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作者名:らん | 作成日時:2021年9月20日 4時