おやすみの前に (ページ19)

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ねぇ、まめちゃん 2(一成) ページ19

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「………は？」

『えっ』

きょとんとする先輩の顔

俺も彼女に負けないくらい目は丸くなっているだろう。

なぜ冒頭から悪態づいているのかというと、話は5分前に遡る。

『ねぇ、豆ちゃん。もうすぐクリスマスだね』

「あ〜そういえばそっすね」

何度聞いたか分からない呼び声を今日も聞いて、嬉しそうなアヤ先輩のとなりを歩くのに慣れてきた頃。

もう一年も終わりの季節に入ってきたのか、一年なんてすぐだな〜と呑気なことを考えていた。

『何か欲しいものある？なんでもプレゼントするよ』

「言ったら面白くないじゃないですか」

『私センス悪いもん…』

「たしかに、悪そう笑」

なんでよ、と少し俯く先輩を斜め上から見れば、ぷっくりと頬が膨れて見える。

…かわいいな、ほっぺ潰したい。

俺もそんなに背が高い方じゃないけど、先輩は俺よりも低いからいつも見上げられる。

それが少し気に入ってたりする。

クリスマスか、アヤ先輩は何が欲しいかな

クリスマスに考える相手がいることに恥ずかしさとわくわくを感じていれば、

先輩から予想外の言葉が出てきた。

『クリスマスにね、友達が遊園地行こうって言ってくれたの〜』

「遊園地？へぇ」

遊園地好きなのかな。

連れて行くのもありかもしれない

『相手がいない者同士で集まろうってなったの。よかった〜1人じゃなくて笑』

「………は？」

『えっ』

ここで冒頭につながる。

相手がいない？なんで？

俺がいるじゃん。

え、俺2人で過ごすって当たり前のように思ってたんだけど

だって、俺ら付き合ってるんじゃないの？

『豆ちゃん？どうしたの』

「え、俺と過ごさないんすか？」

『……えっ？！過ごし、え？！』

そんなに驚かれても。驚きたいのはこっちだ。

…一緒にいたいのは、俺だけなの？

『付き合ってる…の？私たち』

「そこから？！好きって言ったじゃないっすか。俺のこと好きじゃないの？」

『や、もちろん好きだけど！

　…付き合ってって、言われてないから』

「…あぁ、そういうこと」

たしかに言ってなかった…かもしれない。

好きって言ったし、伝わってるもんだと思ってた。

俺だけ勘違いとか、嫌なんだけど。

…俺だけ好きみたいじゃん。

「…俺と、過ごしたい？クリスマス」

『も、もちろん…！』

「彼女…なる？」

『ぜひ…！』

はぁ、焦らせないでよ。

俺以外と過ごすとか、絶対だめだから…ね？

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