イベント後 ページ41
イベントが終了し、ホールから出る頃、スタッフさんに関係者という首掛け名札を渡され、控え室まで案内された。
そこにはイベントが終わって汗を少しかいた3人とお母さんがいた。
母｢お、きたきた！待ってたで〜｣
す｢え、？なんでAちゃんがおるん！？｣
こ｢…え？｣
手を振りながら笑顔で近づいてくるお母さん。
と、状況理解に苦しむ弟組。
｢やっほ〜、きちゃった｣
す｢いや、来ちゃったちゃうて！！｣
し｢…来てくれてありがとな｣
｢ううん、みんなかっこよかった〜！｣
こ｢もう、髪型崩れちゃった｣
と言って、しゅんとするこうくん。
うん。かわいい。👈
｢崩れててもかっこいいで？｣
というと、あからさまに顔が明るくなる。
いや犬か？と思うぐらい、口角が上がってる。
し｢ちょっといい？｣
｢うん、｣
す｢え、もう帰るん？｣
し｢久々やから話すだけやて！｣
｢すぐ戻ってくる！｣
というと、2人で控え室を出た。
ちょっと歩くと、前を歩いてたしょうが立ち止まる。
し｢…俺、自惚れていい？｣
｢ん？｣
し｢会いに来てくれたってことはさ、そういうことでいいん？｣
背中しか見せないしょう。
でも、肩が震えてるのはわかる。
きっと、いろんな感情が混じってしょう自身も整理がついてないんやろな。
｢急に来てごめん。｣
し｢会えて嬉しかったから、｣
｢しょうの質問だけど…その解釈で…お願いします…｣
し｢え！？｣
そう言うと勢いよくこっちを振り向く。
｢やっと自分に自信が持てるようになったの。｣
し｢ほ、ほんまに？｣
｢うん。仕事も上手くいっててね。友達のサポートもあって、やっと踏ん切り着いたんよ。｣
し｢うん…｣
｢待たせてごめんな｣
というと、しょうの顔は段々と力が入って、くしゃくしゃの状態になる。
｢しょう？｣
その言葉を遮るように私の体は暖かいものに包まれる。
そして、大好きな香りが鼻を伝う。
し｢ごめん…泣いてるなんて情けないとこ見られたなくて…｣
｢情けないなんて、思わへんよ｣
し｢んん…｣
もう泣きすぎてて言葉が言葉になってないしょう。
｢もう、なんて？落ち着いてさ｣
としょうの背中をポンポンと優しく叩く。
し｢…ありがと｣
｢いいえ、笑｣
し｢なんで笑うんさ｣
｢こんな泣いてるのみたん小学校ぶりやなって｣
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作者名：とちもち | 作成日時：2022年11月20日 19時
