いつかまたあの木の下で。 (ページ32)

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弟の違和感ページ32

※しょうside
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イベントが終わり、みんなで家に帰っていた頃、近くのコンビニで今日の編集のためのエナジードリンクを買うためにすずたちに「先帰っといてー」と告げた。

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店員「ありがとうございましたー」
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エナジードリンクを片手に持って、暗くなった家までの帰路をあるく。

明るい時間に見るのとでは結構景色が違って見えて、新鮮だった。

冷たい風が頬をかすめる。

(A…)

一人でいるとそんなことばかり考えてしまう。

(あかんあかん)

と思って、帰ってからやることを考える。

高校生だから学校から出された課題はしないといけないし、明日の動画の編集もしないといけない。

(俺、頑張ってんなぁ)

と自画自賛。

他の学生より経験が豊富だ。という事実は優越感に浸らせてくれる。
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家に帰ると、2階までの階段をあがる。

リビングには横になってテレビを見ている母。

お風呂からはすずの呑気な歌声が聞こえてくる。

そのまま3回に上がって、編集部屋に行くと、こうが俺の椅子に座って、スマホを触りながら何やらニヤニヤしていた。

「おいこう！なにニヤニヤしてん…な…」

こうの背後に回り込んだ時に見えてしまったこうのスマホの画面。

そこにはAと表示されているLINEの画面が写し出されていた。

こ「ちょ、急になんなん、？」

俺が来たのがわかると咄嗟にスマホの電源を切って、立ち上がり自分の椅子に戻るこう。

(同じ名前の人の可能性もあるよな…？)

俺ではなくて、こうと繋がっているというのもおかしな話。

その時、母がAに連絡先を渡したと言っていたことを思い出した。

俺はもう一度、リビングに戻って母に聞いた。

「Aから連絡あった？」

母「え、まだやけど…」

「そっか」

やっぱりAではなかったか。

連絡取れたら確かにLINEは交換出来るし…と思っていた考えも消え去った。

す「おにいいいいいい」

ドーンとお風呂から上がったすずが俺に乗っかってくる。

「ちょ、すずおもいて！」

と言ったのと同時に、すずの髪から水が滴る。

「は？髪ちゃんとふけてないやん！」

す「めんどいねん。おにいしてや」

と言うと、とたとたとお風呂場へ走って、バスタオルを持ってきた。

「んもう〜しゃあないな」

と、バスタオルを受け取ってすずの頭をわしゃわしゃと拭いた。