【鬼滅の刃】一妻多夫制の柱さん

不器用過ぎる旦那 参拾壱 ページ42

それからというもの結局私にはどうすることもできず、寄り添って傍にいることしか出来なかった。


義勇の体は徐々に落ち着いてきて、呼吸がゆっくりと深くなっていった。


｢………義勇、苦しくない？大丈夫？｣


呼吸は落ち着いたけど、体調自体は悪いままだ。


私の手を握る手は汗ばみ、震えていた。


それでも義勇は私を安心させようと何度も頷いて、自分は大丈夫だと伝えてくる。


でも、見て分かる通り全く大丈夫と言えるような状態じゃない。


じゃあなんで聞いたんだ？って話だけど、一応の確認の為に聞いた。
ただそれだけ。


他の人も人生で一度はあるでしょ？
分かってるけど、一応確認したいってやつ。
あれね、あれ。


不器用過ぎる優しさにほわほわしたが、隠さないで欲しいという気持ちの方が自分の気持ちの中で強かった。


精一杯の見栄を張って、心配させたくないという義勇の気持ちを踏みにじりたくない、けど………。


チラッと義勇の顔色を伺うと、さっきより肌色も明るくなっているのが分かる。


さっきよりは大丈夫なのは確かだ。


｢(ここは大人しくその見栄に付き合うか………)
分かった。でもしばらく横になってて？水持ってくるよ｣


冨岡｢…………すまない｣


｢気にしないで。義勇の妻なんだもん。なんでも言って｣


そう言ってから義勇の手を両手で包み込んで、笑顔を向けた。


義勇は私の顔をしばらく見つめた後、少しだけ表情を和らげてから私に抱きつく。


それがなんだか可愛くて、思わず手が動いて頭を撫でてしまった。


冨岡｢(子供扱いするな、)やめろ｣


｢はいはい、ごめんなさいね〜｣


多分子供扱いすんな！的な感じだろう。
本当に言葉足らず過ぎる。


まあ、そんなとこも含めて好きなんだけどね。

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