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絶望の話 ページ7

鎹鴉「死亡!死亡!炎柱、煉獄杏寿郎死亡ー!上弦ノ参ト交戦ノ末死亡ー!
カァァァー!」



喉の奥がひゅっと音を立て、息苦しくなった。



鎹鴉が飛んで来て何かと思えば、それは最愛の兄が死亡したという信じ難い報告。



優しく、強く、誰よりも正義感に溢れていたあの兄が死んだ?



嘘だ、そんなの信じない……!
そんな……そんなっ……!



千寿郎「嘘だ、嘘だっ……!」



鎹鴉「カァァァー!死亡!死亡!炎柱、煉獄杏寿郎死亡ー!カァァァー!」



必死に耳を塞いで事実を拒否するも、鎹鴉は死んだという現実を嫌という程突き付けてきた。



死亡、そして何度も繰り返される兄の名前。



それらが私を現実へと引き戻し、地獄へと叩き落とした。



涙が溢れて口からは同じ戯言しか出てこなくなってしまった。



蹲って震えながら泣いていたかったその時、
小さな物音が聞こえ反射的に音源の方へと視線を動かした。



千寿郎「ぁ……A、さ「やっぱり死んだんだね」…………え?」



その音を立てた正体は、やつれた様子のAさんだった。



今日は朝から部屋から出てこず可笑しいと思っていた。



襖から見えた姿は乱れた髪に腫れた瞼、服はしわしわになっていてまるで別人。



いつも兄に恥じない妻になろうと、外見には細かな注意を払っていたAさんからは想像もできないほどに手入れがされていなかった。



でも、やはり引っかかるのはやっぱりという言葉。




まるで兄が死ぬのを分かっていたようだったのだ。



Aさんは部屋に入って来ると泣く私を強く抱きしめ、頬に涙を流した。



私の髪にAさんの髪がかかり、少し擽ったかった。



櫛でとかされていなくとも、Aさんの髪はサラサラで良い香りがふわっと漂った。



視界の端に見えた頬を伝い日の光に照らされる一筋の涙。
私はその涙がとても儚く見え、咄嗟に服の裾でその涙を拭う。



そして華奢なAさんの背中に腕を回して、自分も強く力を込めてAさんを抱きしめた。



兄が居なくなったという悲しみを少しでも和らげるかのように、
私とAさんは骨が軋むほどにお互いを強く抱きしめた。

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春月卯月(プロフ) - フィオナさん» ありがとうございますー!一応最後の展開までは考えているので頑張ります!応援ありがとうございます! (2019年11月20日 21時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - ユリさん» 気になって下さって嬉しいですー!なるはやで頑張ります!ありがとうございます! (2019年11月20日 20時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 影姫一閃さん» タイトル悩んだんですよ本当にー!いい話なんて滅相もない!勿体ないお言葉です!ありがとうございます!頑張りますー! (2019年11月20日 20時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
春月卯月(プロフ) - 椿さん» 応援ありがとうございますー!楽しみにして下さって光栄の極み!頑張りますね! (2019年11月20日 20時) (レス) id: e961db7c14 (このIDを非表示/違反報告)
フィオナ - この後の展開が気になります。更新頑張ってください (2019年11月20日 20時) (レス) id: ba2a71100d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春月卯月 | 作成日時:2019年11月19日 22時

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