お迎え2 ページ18
注文してしばらくすると熱々の麺が運ばれてきた。
「いただきまーす」
ああ…空腹に染み渡る。
ふと、湯気の向こうにジミンちゃんを見た。
男の子らしく豪快に麺を口に運んでいる様子がなんだか微笑ましかった。
人が食べてる姿を見てこんなに幸せな気持ちになれるなんて彼に出会うまで知らなかった。
「そんなニコニコ見つめられると恥ずかしいんだけど」
視線に気づいたジミンちゃんが困ったように微笑んだ。
「へへ、ごめん。ジミンちゃんがモグモグしてるの可愛いから好きなんだ〜」
すると彼の頰がほのかに赤く染まる。
「…好きとか……簡単に言うんだから…」
ボソボソ何か呟いている。
「ん?なんて言ったの今」
「何でもない…」
なぜかむすっと膨れてしまった。
拗ねてても何しても可愛いなぁ。
「よかったらこっちのも食べる?」
「いいの?じゃあ私のもあげる」
2人で器を交換した。
「辛っ」
よくこんな辛いの平然と食べてたな。
「ふふ、でもおいしいでしょ」
「うん、確かに辛いけどおいしいね」
2人で食べると何でも美味しく感じるから不思議だ。
それから食べ終わってお水を飲んでいると、
「あれ……ジミナ?」
スラッとした綺麗な女の子が私達のテーブルに通りかかった。
「ああ…ハユニヌナ」
ジミンちゃんの知り合いのようだ。
私以外の人をヌナと呼ぶのを初めて聞いたせいかなんだかモヤッとしたものを感じる。
「久しぶりだね。最近全然泊まりに来ないからどうしたのかと思ってたよ」
その一言で全てを理解した。
以前ジミンちゃんを泊めていたという女の人の1人なんだろう。
「はい、もう住むところができたので」
「へぇ…そうなの。…もしかして」
そう言って私の方をチラッと見た。
「今はAヌナのところでお世話になってるんです。」
ジミンちゃんはそう言ってにこっとその女の子に微笑みかけたけれど、その笑顔がなんとなくこれ以上入り込まないでねという無言の意思表示に見えた。
「そうなんだー」
それから女の子は私を上から下までじーっと眺めた。
残業帰りで髪はボサボサだしメイクは崩れてるしあんまり見ないでほしいなぁ、とひそかに思っていた。
そんな気持ちからか、つい俯いていると
「ジミナを独り占めするなんてずるいなぁ」
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もりぞう(プロフ) - すみれさん» ありがとうございます!!嬉しいです(^^) (5月31日 11時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
すみれ - 素敵なお話ですね。 (5月19日 18時) (レス) @page28 id: edc49f412e (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - miiさん» コメントありがとうございます!好きと言ってもらえてとても嬉しいです(^^) (2021年8月18日 20時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - はい、好きー (2021年8月18日 7時) (レス) id: d47eb74ff4 (このIDを非表示/違反報告)
もりぞう(プロフ) - けろるさん» コメありがとうございます!最高過ぎなどと言ってもらえて本当嬉しいです(〃ω〃)これからも頑張りますー(*´∇`*)よろしくお願いします! (2019年2月25日 22時) (レス) id: a002e2b5b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もりぞう | 作成日時:2019年2月3日 20時