51話 ページ3
春も終わり日が長くなったとはいえ薄暗くなってきたため、2人は帰路に着く。
「そういえば、明智様と信長様は今夜図書館に泊まるそうですよ」
「信長が……？ まあいいくさ、このまま…………待つくさ。今なんて？」
「え？ あ、ああ。信長様がそう呼べと仰るものですから……お嫌でした？」
「いや、馨が自分でそう決めたんならそれでよか」
「あら」
いいこいいこと馨の頭を撫でると、嬉しそうに目を細める。その顔が可愛くて、思わず立ち止まって撫でまわす。髪が崩れますわ、と言いながらも馨は楽しそうにしていた。
彼女は、変わろうとしている。加藤以外信じてこなかった馨が、誰かを信じるために動いている。それはとても大きな進歩であり、加藤はそれが心底嬉しい反面、強く心配していた。
また裏切られたら。そうなれば馨は今度こそ、誰も信用せず、何の希望も抱かなくなるだろう、と。
「馨…………」
「はい、清正様……どうかなさいました？ 具合が悪いとか、お怪我をなさったとか……」
泣きそうな加藤の顔を見て、馨はあたふたしながら彼の両頬に触れる。
その馨の手に自分の手を重ね、加藤は
「このまま2人で逃げられたらどれだけいいかって思ってたくさ」
「また急な……でも、そうですわね。もし高校を卒業して、それができる環境ならそうしちゃいます？ 私、清正様となら何処でだってやっていけますわ！ いっそ海外とかでもいいかもしれませんわね」
きゃらきゃらと楽しそうに笑う馨を見て、安心しつつ今すぐにでも攫ってしまいたい衝動に駆られた。何故だか急に、彼女が儚げな存在に思えてしまったのだ。
いつか突然、目の前から消えてしまうんじゃないか、という不安が今の馨にはあった。
「清正様……？」
「馨、すまんが今日は絶対一緒に寝るくさ。拒否も今日だけは聞けん」
「え」
「いえあの、全然かまわないんですけど……っ！」
心の準備が！ と思ったのだが……
「あれぇ？」
家に帰り、食事の準備をし(馨には加藤がホットミルクを作った)、別々に風呂に入り、気付いたらベッドで抱きしめられていた。ちょっと……いや、かなり予想と違う。
「……むぅ」
何だか悔しくて眠る加藤にキスしようとした瞬間……
「こら」
気付けば視界いっぱいに加藤の顔が。
「悪戯する悪い子にはお仕置きが必要くさ」
「ひえ……」
甘い甘い時間が過ぎていく。
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Chiharu(プロフ) - ミルクチョコさん» コメントありがとうございます！ なるほど、須賀君かっこいいですもんね〜！ ドラマ見たあとしばらくハマってました笑 犬飼君とか笑 最近更新なくてすみません！ 読んでくれてありがとうございます😭 (2023年1月13日 22時) (
レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
ミルクチョコ(プロフ) - 私は加藤くんですね！Chiharuさんのお気持ちわかります！まあ好きな理由はその役をやっている須賀健太君が好きなだけなんですけどねｗｗ (2023年1月12日 17時) (レス) @page8 id: 90f93b6301 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - オタくん♀さん» コメントありがとうございます！ これからもそう言っていただけるよう頑張りますね！ (2022年12月12日 18時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
オタくん♀(プロフ) - 好きです! (2022年12月10日 20時) (レス) @page30 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - ふゆうさん» コメントありがとうございます！ きゅんきゅんゲームはキンプリのライブDVDに収録されているコントコーナーのものです！笑 実際のセリフをほぼ丸パクリしてるだけですので……！ それでも楽しんで頂けたようで幸いです！ (2022年10月22日 18時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年10月7日 17時
