31話 ページ33
「今回の戦いで56人が脱落。秀吉君は56ポイント獲得」
「っ、」
思いもよらなかった結果に、足が竦んで動けない。
勝利に安堵し倒れる秀吉を受け取める加藤を見つめる。
「俺の完敗くさ」
その表情は、負けたというのにも関わらず、とても晴れやかで嬉しそうな顔だった。
伊達も拍手を送り、秀吉の勝利を祝う。
「馨に謝らなきゃいかんくさ」
不意に自分の名前を呼ばれ、身体が強張った。
「……？ なんで、馨……ちゃん？」
「馨は俺が勝つって信じて疑っとらんかったくさ。その信頼に応えｒ」
「そんなのどうだっていいです！！！！」
「馨……？」
少しよろけつつも加藤の元まで小走りで向かい、思いっきり抱きしめた。
まさかの事態に驚いた加藤がうっかり秀吉の身体から手を放してしまったが、前田と毛利が運よく受け止めた。
「私は清正様がいてくれるなら他には何も望みません！ だってあなたは私をおいてはいかないって、約束してくれたじゃありませんか！ なのにっ、なのにぃ……！」
「おっ、俺が悪かったくさ！ だから馨、泣くんじゃなか……！」
ぼろぼろと涙を零す馨に驚く一同。2人の間に何があったのか全く見当がつかないため、どうしたらいいかわからない。
「旦那様の馬鹿！！ もう二度と、そんな事気にしないと約束してくださいませ！」
「わ、わかったくさ……」
ん！ と小指を差し出す馨の勢いに圧され、指切りげんまんをする加藤を4人は大変微笑ましそうに見ていた。
「解決したな？ なら、早く戻るぞ」
「いやあ、疲れた」
「ん、すみません皆様方。私のせいで時間を……」
「構わん構わん。それより馨、そんなに泣いてると目が溶けるぞ」
「ああほら、そんな乱暴に擦るな。赤くなっちゃうぞ」
秀吉を支えて歩きながら馨を気遣う2人。何とも器用なものだ。加藤はというと
「ちょっ、触るなくさ」
伊達にちょっかいをかけられていた。
何故かその後保健室には行かず、教室に戻った一同。席に座り色々な人と雑談を楽しんでいた。馨も、飴を舐めつつ会話に参加していた。
その時だった。急にチャイムが鳴ったのだ。
「皆さん。ただ今、公認旗印が出ました。旗印提出は特進クラスの徳川家康君」
何故このタイミングで？ と教室内がざわつく。
「家康くんが出した旗印はこちらです」
旗印を見た瞬間、全員が酷く動揺した。
『3分以内に武田信玄を倒す』
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タカコ(プロフ) - 嬉しいです！楽しみにしてます！ (2022年10月6日 11時) (
レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» 旗印戦のあれこれは本編にねじ込む予定です。馴れ初めは番外編に入れてもいいかもしれませんね！ ご意見ありがとうございます！ 近日中に出す続編でも番外編について触れてみようと思います！ (2022年10月6日 11時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - はい、最終回後の話やドラマでは無かったオリジナルの旗印戦、加藤くんと夢主ちゃんの馴れ初めなんかを読んでみたいです(*≧∀≦*) (2022年10月6日 8時) (レス) id: e1a7229537 (このIDを非表示/違反報告)
Chiharu(プロフ) - タカコさん» コメントありがとうございます！ 今のところ考えてはいませんが、こういうシチュエーションが見たい！ という希望が多く集まればやる可能性もあるとは思います。最終回より後の話を番外編にするのもアリですね🤔 (2022年10月6日 2時) (レス) id: 7076ed243d (このIDを非表示/違反報告)
タカコ(プロフ) - Chiharuさん、一つ質問します。この小説の番外編って作る予定は無いですか？ (2022年10月5日 23時) (レス) id: 3e1c504208 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chiharu | 作成日時：2022年9月25日 5時
