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130話 ページ32

「私が、悪かったんです。貴方の気持ちを何も考えずに、兄様は死んだと言ってしまったのだから」

すると、あずーるさんは、やはりあなたは月桃の妹ですね、と泣きながら笑った。

「僕なんかのために髪を犠牲にしたのも、兄妹そっくりだ……」

あずーるさんが私の短くなった髪に触れた。ごめんなさい、と何度も何度も謝られた。髪が伸びる魔法薬を作ると言ってくれた。でも、私はそれを断った。

「な、何故!? まさか、魔法薬が不味いからじゃありませんよね? それとも、効果が心配ですか!?」

「いいえ。あずーるさんを助けに来れた。その証明になりますから。それに、髪なんてすぐ伸びますよ」

「……そうですか。なら、これから先困った事があれば何でも言ってください。僕があなたの力になります。それに、月桃との約束を思い出しました」

何か聞くと、私が見れなかった兄様とあずーるさんだけど約束事があるらしい。兄様は、自分に何かあって、私の傍にいられなくなった時は、私の事を頼む、と、あずーるさんに言っていたらしい。
本当に、妹思いのいい兄だった。

「あなたまで泣いてどうするんですか、まったく」

「だ、だって〜……」

髪を触っていた手がゆっくりと頭に触れ、そのまま撫でられた。

「あずーるさん、帰りましょう。ここにいつまでもいたら命が危なくなっちゃいます。死なれたら、兄様の話を出来る人がいなくなっちゃうじゃないですか」

「そうですね、帰りましょう」

二人で立ち上がって、手を繋ぎながら歩いた。ちゃぷちゃぷと音を立てながら。その音がとても心地いい。

「ここで魔法って使えるんでしょうか」

繋いでいる手とは反対の手で、まじかるぺんを構えた。杖にして軽く振ると、桜の花弁が降り始めた。

「これは……サクラ!」

「ええ、私も兄様も大好きな花です。それに、貴方が日本に来た時咲いていたでしょう?」

「まさか、この花をまた見られるとは……」

降り落ちる花弁を掌で受け止めたあずーるさんは、目に涙を浮かべている。

「綺麗でしょう?」

あずーるさんの顔を覗き込むように笑って言うと、はい、と笑い返してもらった。誰かと契約をしている時の、悪そうな笑みじゃなくて、心からの笑み。それが見られてとても満足だ。

「これは月桃が夢中になるのもわかりますね……」

「? 何か言いましたか?」

「いいえ。さあ、帰りましょうか」

そのまま、世界が真っ白に輝いた。

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ラッキーカラー

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オタクの夢(プロフ) - 初めまして。突然のコメント失礼します。アンケートの答えは2でお願いします。 (2020年7月11日 21時) (レス) id: 16ffb5e192 (このIDを非表示/違反報告)
メリ助(プロフ) - いつも作品を楽しみにさせてもらっています!アンケートは2でお願いします!続き頑張ってくださいっ! (2020年7月11日 20時) (レス) id: edf0a2913a (このIDを非表示/違反報告)
ほのか(プロフ) - 2でお願いします!続き楽しみにしてます! (2020年7月11日 5時) (レス) id: 90cb15719b (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 2でお願いします!無理せず更新頑張って下さい! (2020年7月11日 2時) (レス) id: ad5ac1eb93 (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ(プロフ) - 2で、お願いします (2020年7月11日 0時) (レス) id: 868bfc1b28 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Chiharu | 作成日時:2020年6月27日 16時

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