27話 もう1人の ページ28
これが今回の鬼、なのかな。
でも話では銀髪と紫髪って聞いてたし、この鬼は違うのかも。
まあなんにせよ今のうちに伊之助と合流し、次の鬼に備える必要がある。
屋根の上をタンッタンッと軽やかなステップで飛び、最短ルートで伊之助の元へと向かう。
まあでも伊之助の事だし、担当地域から外れたところにいるのかなあ、とも思ったり。
結局伊之助は南西の方向にある大きな岩の前で度胸試し…と言うより岩を刀で砕こうと奮闘していた。
「伊之助、鬼殺ったよ。でも通達があった鬼じゃないみたい。」
「あ''あ''?!ズルしたんじゃねェだろうな?!」
「してないしてない。普通に弱かっただけ。
とりあえず目的の鬼と遭遇するまで一緒に行動しよう。」
と、正面を向いた瞬間、人影がボウッと見えた。
一瞬だったが、2人ほどいたのが確認できた。
もしあれが鬼なら、と勝手な正義感が足を動かす。
伊之助もその人影を見たのか、私と同様歩幅を大きくものすごいスピードで走る。
ちょうど、あと50メートルほどの距離で相手も私たちが来たのを確認したのか、抜刀する。
_____ん?抜刀?
確かに銀髪、紫髪だけど狐面を被っているため顔が確認できない。
…しかし、敵対視しているのは事実。
私も伊之助も抜刀し、さあ刃を交えようとした時。
「…おい、Aじゃねェか…?」
と紫髪の男が発した。
妙に聞き覚えのある腹立つ声だなあなんて思ったし、なんで私の名前を知ってるんだろうとも思った。
が、その疑問を本人にぶつける前に伊之助が動いた。
刀を2本振りかざしながら2人に詰め寄ったのだ。
「獣の呼吸 壱ノ牙!穿ち抜きィ!!!」
伊之助の刀が合わさり、ものすごいスピードで突く。
しかし相手も戦闘慣れしているのか、スレスレのところを横にかわし、なんとか伊之助の手を逃れた。
「ねぇちょっとAちゃんんんんん?!
俺ら知り合いだよねぇ?!お久しぶりでコレはねーんじゃねぇの?!?!」
「え、いや本当に誰。顔わからんし。」
「分かるでしょーが!!!」
そう言って無造作に外した面が銀髪の顔を露わにする。
…知ってる、こいつは。
「銀さん…なんでここに…」
「俺も忘れんじゃねェ。会ったのは春雨の母艦以来か?」
「高杉…2人ともほんとになんでいるの…?」
「A!どけ!!!こいつは俺がやる!!」
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ナルシスト - とても面白くていい小説ですね!これからも頑張ってください! (2020年4月17日 14時) (レス) id: 9f29b33a37 (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです。この感じだとオチは神威なのでしょうか?神威だととても嬉しいのですが、、、楽しみに更新を待っています。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 8f6ad57d8f (このIDを非表示/違反報告)
4o(プロフ) - 妖精・ナルルさん» ありがとうございます!これからも少しずつ更新しますのでよろしくお願いします( . .)" (2020年2月7日 2時) (レス) id: 14a215dd40 (このIDを非表示/違反報告)
妖精・ナルル - 面白いです! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 428de63203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4o | 作成日時:2020年1月31日 4時