17話 長い ページ18
「今、鬼殺隊は十二鬼月と接触し、鬼舞辻無惨の手掛かりを掴もうとしている。これは快挙だ。
…くれぐれも、気を付けて。」
「十二鬼月とか鬼舞辻無惨とかよく分からないけど、死なないように善処するね。」
「…うん、話はこれで終わり。
さ、手合わせしておいで。」
その言葉を合図に土方と目を合わせる。
そしてそのまま道場へと駆け込む。
いつの間に話が伝わっていたのか、周りにはギャラリーが勢揃いしている。
…もちろん、柱の5人もギャラリーとしてそこにいた。
きっと私の実力を見るためだろう。
あいにく、木刀を扱うのは初めてだ。
ここで土方に遅れをとるのはプライドが許さない。
「…じゃ、始めようか。」
何としてでも勝つ、と気合いを入れ直し呼吸を整える。
その呼吸を合図に土方は真っ直ぐこちらへ走ってくる。
つま先を捻り、斜め前へと移動。
私が''いた''場所に木刀が落ちる。
その動きを横目で見ながらそのまま土方との距離をとる。
「さすがに1太刀では無理か。…やりがいがある。」
そしてスっと呼吸を整え、その開いた瞳孔で私を見定める。
その隙に間合いに入り、木刀を真横にスライドさせる。
木刀と床の隙間にあった空気が風となって壁へ衝突し、そこには穴が空いた。
…だが、土方はいない。
攻撃が終われば防御、そしてまた攻撃_____そんな高度な攻防を繰り返し、消耗戦へと入る。
「…なかなか…やるね…
普段からチンピラしてるだけある…!!」
「お前こそやるじゃねえか…!」
2人の口角が、上がる。
勝負が、つく。
正面から木刀を全力を注ぎ振りかざし、最後の一撃を。
.
.
試合は、相打ちに終わった。
私たちはお互いの一撃を避けることなく食らった。
何故よけなかったのか。
自分でも分からないけど、でもあの場で一撃を避けるのは少し違う気がした。
決着のつかない勝負を、相手の打撃を受けることによって耐えたと証明し、根本から砕こうと本能がそう命じたのか。
気付けば治療室だった。
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ナルシスト - とても面白くていい小説ですね!これからも頑張ってください! (2020年4月17日 14時) (レス) id: 9f29b33a37 (このIDを非表示/違反報告)
mio - 更新頑張ってください!応援しています!! (2020年3月16日 15時) (レス) id: 2668335830 (このIDを非表示/違反報告)
いるあ(プロフ) - とても面白いです。この感じだとオチは神威なのでしょうか?神威だととても嬉しいのですが、、、楽しみに更新を待っています。 (2020年2月16日 11時) (レス) id: 8f6ad57d8f (このIDを非表示/違反報告)
4o(プロフ) - 妖精・ナルルさん» ありがとうございます!これからも少しずつ更新しますのでよろしくお願いします( . .)" (2020年2月7日 2時) (レス) id: 14a215dd40 (このIDを非表示/違反報告)
妖精・ナルル - 面白いです! (2020年2月6日 21時) (レス) id: 428de63203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4o | 作成日時:2020年1月31日 4時