にじいろFamily #2

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黄色side

赤｢いっ、｣

｢あー、大丈夫？｣

赤｢うん、大丈夫っ！｣

ガシャン

｢だい、血出てきてんで。今日やなくて、明日でも｣

赤｢大丈夫っ！｣

｢…わかった。｣

俺のために頑張ってくれるだいに、
何回も涙を零しかける。

少しずつだいもお兄さんになっとったんやな。とか、
ほんま諦めの悪い性格しとんな。とか、
かっこええな。なんて純粋に思ったりして。

｢…成長してたんやな。ちゃんと。｣

いつかきっと恋しくなる、

あの可愛い『じゅんた、じゅんたぁっ』っていう声も、

『だいっすきやで！』って言うて抱きついてくる姿も、

『おやすみ』って俺が言うと、くしゃっとした笑顔で『おやすみ、じゅんた』って返してくれる夜も、

泣きそうになると目をぎゅっと瞑る仕草も。


今すぐに、全部を抱きしめたい。
そんくらい、愛おしくてたまらない。

また、だいが自転車を跨ぐ。

目が合って、だいがニコッと笑った。

そして、俺の目から涙がこぼれおちた。

だめやな。今日、俺泣いてばっかりや(笑)

赤｢見てて？｣

得意げな顔で、だいがそういった気がした。
口パクやから分からへんけど。

｢うん。ちゃんと見てんで。｣

そう返事をすると、だいは前を向いた。

｢…ほんま、だい、今世界で1番かっこええよ。｣

微笑みながらそうつぶやく。


砂利とタイヤが擦り合う音、ずっと待ち望んでいただいの姿、その全てが俺の涙腺を集中攻撃する。

｢っ、だいっ！｣

赤｢っ！｣

だいが、自転車を漕いだ。

それは、ほんの束の間。

だけど、俺にとっては永遠にも感じられて。

ガシャンッ

だいが、転ぶと現実に引き戻された。

座り込むだいに駆け寄って、抱きしめる。

赤｢じゅんた、泣きすぎ！(笑)｣

｢だいも、泣いとるやん｣

だいの頬に流れる涙を親指で優しくなでる。

｢乗れたな｣

赤｢うんっ｣

｢俺、嬉しい。｣

赤｢ほんと？｣

｢うん。俺な、ずっと近くで誰よりもそばで見てきたから分かんねん。｣

赤｢なにが？｣

｢今のだい、今まででいっちばん良い顔で笑っとる。俺は、その笑顔を一番最初に見れた。

それだけで、もう幸せだよ。｣

赤｢じゅんた、ありがとう｣

｢こちらこそ、ありがとう｣

日はとっくに沈みきって、辺りは真っ暗に等しい。

それでも、輝いて見えるだいの笑顔に、きっとこれからも俺らは救われるんやろうな。

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