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今日は珍しく部活もバイトもない完全フリーの日。
プロデュースの何たるかを学ぶためにも帰りに本屋にでも寄ろうかなと考えているも、校門を出たところでスマホが震える。
送り主はレオくん。
かなり久しぶりの連絡だったけど、そこには一枚の写真が添付されているだけでメッセージも何もなかった。
「 ねこ…？ 」
その写真は、どこか泉くんを想像させるグレーの毛並みの猫が映っていて、寝転がって気持ちよさそうに寝ていた。
ドアップでそれ以外の情報が見当たらないけど、寝転がっている場所は砂浜のように見えるし、僅かに濡れて色が変わっている箇所もある。
夢ノ咲学院は大海原に面しているし、もしかしてすぐそこにレオくんはいるんだろうか。
「 行こう 」
ただ一枚の猫の写真が送られてきただけで、何の根拠もないというのに私の足は海の方へと向かっていた。
防波堤を下りて砂浜に足をつけると、砂を踏む気持ちのいい音が響いた。
波の音と合わさってなんだか心地がいい。
「 にゃぁ 」
猫の鳴き声が聞こえた。
辺りを見渡すと、波打ち際で一人 体育座りをしている小さな背中を見つけたので、そっと隣に腰かけた。
「 海を見ていたの？ 」
「 ……何か、湧いてくるかもって思って 」
「 けどこんな近くじゃ危ないよ。いつ波が大きくなるか分からないから 」
なんだか今日はやけに静かなレオくんの手を引いて、少し離れたところに移動する。
猫もにゃあにゃあ鳴いてついてきたので、かなりレオくんに懐いているようだ。
「 この子は野良猫？ 」
「 …リトル・ジョンっていうんだ 」
「 リトル・ジョン。いい子ね 」
擦り寄ってきたふわふわの頭を撫でてやると、ゴロゴロと喉を鳴らしてからゴロンとお腹を見せて寝転がった。
あぁ、綺麗な毛並みに砂がついてしまう。
……あぁ、そうだ。
プロデュース科に転科することをレオくんに話そうかな。
びっくり、するかな。
「 ここにいると、歌声が聴こえるんだ 」
「 え？ 」
「 ピアノの音とか、ギターの音とか、色々 」
音を、聴いていたの…？
辛い経験をしたのに、自ら音楽に耳を傾けていたの？
「 おれも歌いたいなぁ、踊りたいなぁ。…でも声は震えるし、足は竦むし、もう、ダメなのかもな 」
…とてもじゃないけど、転科のことは話せなかった。
私は、彼のために何が出来るのだろう。
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ここち(プロフ) - momoさん» momoさんコメントありがとうございます！ 自己満小説になっていないかと思っていたので、そういった意見をいただけて本当に嬉しいです。とても励みになります。これからもよろしくお願いします。 (2021年10月3日 14時) (
レス) id: c2fb8c431e (このIDを非表示/違反報告)
momo - めっっっちゃ好みです。。。Knights大好きだし話の展開っていうかもう色々ドストライクすぎてイッキ読みしてしまった、、あと泉くんイケメンすぎて惚れました…続き凄く楽しみです！更新頑張って下さい！！ (2021年10月3日 1時) (レス) id: d97a5a4175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリ | 作成日時：2021年9月23日 4時
