いや、ただ偶然出会っただけだけど。【灰谷蘭】

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朝、目覚ましの音で目が覚める。




「うるせ…」



そう呟く声が聞こえ、2人に目を向けると
モゾモゾと動いている蘭とそんな蘭の腰辺りに腕を回してぐっすり眠っている竜胆。




『……可愛い。』


なんだコイツら、写メっとこ。






「ん」


するとパチッと目を開けた蘭。

ちょっと寝ぼけてるのくそ可愛い。





「…寝込み襲おうとしてんの？」


『ばっ、馬鹿野郎か！』




少し笑ったあと欠伸をしながら上体を起こし、
手慣れた様子で竜胆の体を揺する蘭。





「りんどー起きろ、A起きてんぞ」





何度か揺すった後、竜胆もモゾモゾと動き出す。
あ、起きた。え…さすがお兄ちゃん。




ってか、ずっと自分の腰に巻きついてるの気にしないの？それが日常だったりする？？






「何時に家出んの」


『8時』


「ん」




それだけ言うと洗面所に向かった2人。
すげぇな。息ぴったりだ。


っていうかもう私の家使いこなしてんじゃん。
いや家を使いこなすって何。







2人が身支度を整えている間に私は一足先に朝ごはん。と言ってもパンだけど。

女子力の欠片もねぇな




…そういえば2人とも、教材も制服もないのにどうやって授業受けるんだろう。


まぁ2人の事だからどうにかなるんだろうな、
なんていう謎の安心感。







ところで、この2人と一緒に登校するって
絶対注目浴びるよね？？






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2人も朝食を食べ終え、
私はカバンに教科書を詰めていた時。





「行くぞー」


『えっ、早くね？』





もう玄関の方から2人の声が聞こえてきた。
え待って、まだ準備中。


え？君たち学校に行く気満々？？




……が、時計を見てみると時刻はもう8時。

え、早。
人が増えるとこうなるのか。





『今行く！』



玄関のドアを開け私の様子を窺っている2人に告げると急いで準備を進める。




忘れ物は無いよね？？

急ぎすぎて最後の方何を入れたか分からない。
いやこれ絶対違うやつ入れたわ。








ワクワクウキウキしている2人を待たせたくないので
それでもいいやとそのまま家を出た。








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