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廊下を無言で歩く童磨の隣、
私も同じく無言で歩き続ける。
そういやあの時、“童磨って呼んでもいい?” なんて聞いちゃったけど、童磨は先輩なんだよな…
なんだか違和感しかないけど。
今も普通にタメで話してるし大丈夫なのかなこれ…
あっ、もしかして今からしばかれるのかな?
「ごめんね、話の途中に呼び出したりなんかして。
Aちゃんに会いに来てみたら携帯を取り上げられてるんだもん、びっくりしたよ」
『え……』
見られてたの?
もしかしてわざと割り込んで庇ってくれた?
ただの思い込みかもしれないし、
でももしそうだとしたら……。
生まれ変わっても以前と変わらない童磨の行動に、
また私の心臓が激しく動き出す。
「…Aちゃん?」
『ぐ……ッ!』
顔を覗き込まれ、そのあまりにも美しいお顔に圧倒され思わず変な声が出てしまった。いけない。
「ふふ、変なの。
…ね、妓夫太郎から聞いたよ」
『……何を?』
急に立ち止まり、真剣な表情で私の目を見つめる童磨。
先程のあの笑顔とのギャップにまた悶えそうになるも、必死にこらえる。
……顔が良すぎる……(((
「俺たち、前世で一緒だったんだってね」
『……!』
直球すぎる。
まさかそんなに真っ直ぐに言われるとは思っていなかったから目を見開き、何も言えないままでいると、
「………俺、何も憶えてなくて。」
……と、童磨は少し悲しそうに目を伏せた。
そんな顔、しなくていいのに。
童磨には笑っていて欲しいのに。
『……………、』
無理に思い出させようとするのは、違うよね。
忘れてしまったのなら、何かしらその理由があるはずだ。憶えておく必要もなかった事なのかもしれない。
せっかくの新しい世界、人生……
このままの方が……いいの?
わからない。
『……平気だよ。気にする事無いから』
痛む心臓なんて無視して、私は今の童磨を優先する。
彼には笑顔が良く似合うから、だから…
「Aちゃ、」
『いいよいいよ
あ、そうだ。私がここに転校してくる前のみんなの事聞かせてよ』
まだ何か言いたげな童磨だったけど、
無理に話を変えた。
私自身、結構辛かったから。
また私は自分のことばかり考えて、
本当嫌な奴だなぁ。と自己嫌悪
私はいつだって童磨の味方だ
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ふづき(プロフ) - 久しぶりにタイトル名で検索して一気見したのですが、更新されていてとても嬉しかったです。大好きな作品なので応援しています😭 (2月17日 1時) (レス) id: 29ecdacbc9 (このIDを非表示/違反報告)
花怜?ゃ?(プロフ) - 一気読みしてきました!もう心臓バクバクで午前2時ですが寝れません!!大好きです!! (10月16日 1時) (レス) @page20 id: 9817e1bb68 (このIDを非表示/違反報告)
Rigel(プロフ) - コメント失礼します(*´-`)めっちゃ面白いです!!続きが気になります!!体調にはお気を付けて、更新頑張って下さい(*´꒳`*) (2022年3月23日 21時) (レス) @page20 id: 7f1f562d52 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - 初コメ失礼します!ずっと更新楽しみにしてました(;_;)またおもちさんの書く童磨が見れると思うとすごくテンション上がります!!これからも更新頑張ってください!楽しみにしています! (2021年9月27日 23時) (レス) id: f7ce79b087 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - あみさん» こちらこそ嬉しいです……ありがとうございますヽ(;▽;)ノ更新頑張ります!ありがとうございます…!!(゚´Д`゚)゚。 (2021年9月13日 21時) (レス) id: f4edea90ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2020年1月16日 22時