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「…………え、何……?」
シンと静まり返った部屋に童磨の落ち着いた声が響いた。
いつものヘラヘラとしたテンションがどこかへ行ってしまっている。帰ってきて欲しいと切に願う。
『別に何も言ってないよ!?え!?
あぁ!簪綺麗だべ!?それ頂けるだべか!?
とっても嬉しいべ〜!』
「ごめん誰?」
ダメだ、私必死すぎる……!
これは誤魔化しきれない、どうしよう?
童磨は固まったまま私を見つめてる。
『ごごごごめん!
変な意味じゃなくて…』
「…どういう意味なの?」
童磨は何故か真剣な表情を浮かべた。
なんでこんな時に限って冷静なのかな?
いつもみたいに聞き逃していて欲しかった…
『唯一無二の存在として、というか…
ふ、深い意味はこれといって特に…』
「…なんだ、そっか」
身振り手振りで必死に説明する私は傍から見ればどこか見苦しいだろう。
何故か目を逸らされ、何事もなかったかのように簪の入った木箱を手渡される。
とりあえず誤魔化せたのか……?
手渡された木箱を落とさないように両手で持ち、そっと後退り。
とりあえず一旦部屋に戻って落ち着こう、
頭を冷やそう……なんて考えていた時。
「……なんてね
俺がそんなので納得すると思った?」
『エ』
ただ無表情で、童磨は逃げようとする私の手を掴んだ。彼に捕まってしまえばお終いだ。
っていうかなんでそんなに無表情なの??
どう反応したらいいのか…
A、と急かされ焦ってしまう私。
だんだん濃くなる童磨の気配にほんの少しだけ身震いしてしまった。
『いや、だから…』
先程の言葉を否定しようにも、童磨の圧が強くて何も言えなくなる。
これが上弦の強さか……(違う)
『……ごめん、本当に待って。
また、考えが纏まったらちゃんと言うから……』
「待てないんだけど」
『いや待って、』
「無理、今すぐに言わないと__」
うっすらと怪しい笑みを浮かべた童磨が私の頬に手を添えた時だった。
「教祖様。」
部屋の外から信者が童磨を呼ぶ声がした。
童磨は舌打ちして不満そうに私から離れるけど
私にとっては信者が救世主でしかない。
とにかく助かった。
私の命が救われた(大袈裟)
っていうか、童磨が舌打ちするなんて珍しい。
「……その考えが纏まったら直ぐに教えてよ」
私は今から考えを纏めないといけない。(白目)
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おもち(プロフ) - ゆめふひさん» そうなんですよッッッッ!!?下心丸出し仲間ですね!!!(o´艸`) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
ゆめふひ - 実はお互いに、鬼だから.........。と思っているけどその感情にきずいてないだけなんですね!!素敵(///ω///)抱かれたいわ(照)(いつもの下心) (2019年12月16日 21時) (レス) id: 027152ac96 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - ももさん» わわわわかってくれたんですか……!!!?感激すぎる……゚(゚´Д`゚)゚。ですよねですよね!!?(自分で言う)こんな童磨萌えるなぁと思いましてッッ!!! (2019年12月16日 21時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
もも - 「取られたから」ってヤバイ!!(独占欲…)そんな素晴らしい言葉があったとは!! 離れた時間が愛を育てる感じがたまらないですね(>_<) (2019年12月16日 19時) (レス) id: 059a63c2b5 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - setuna7014さん» あぁぁぁあ!!!!(汚い高音)本当ですね!!!!間違えてます!!ありがとうございますッッ!!!!(〃▽〃) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年12月1日 20時