【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 弐【童磨】

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『……ただいまー』


「…ただいま戻りました」





屋敷を出る時とは打って変わってテンションが下がっている男。




いつもなら童磨が出てくるのに、
何故か今日はお迎えが来ない。





嫌な予感がした私は男を置き去りにして急いで童磨の部屋へと向かった。




「Aさん！？」



男が後ろからついてくる。
あぁもう、そろそろ放って置いて欲しい。






気配を消し童磨の部屋に近づくと、童磨の部屋の中からは童磨本人の気配と もうひとり、女の気配がする









『っ教祖様！！』





勢いよく部屋を開けると、そこに居たのは





『…………え？』





押し倒された女と
その上に乗る童磨。



童磨は女に接吻をしていて、





………？？？？





頭が混乱する。





童磨は焦ったように女から離れ、
こちらに目を向けた。


そして女も私と目が合うと
ニヤリと嫌な笑みを浮かべた。






この女、童磨に何をしたの？





……いや。あの体勢からすると、あれは童磨の方から？





「っA、」



『お！！！』



「！？」



童磨の声に被るように口を開くと童磨は吃驚したのか目を丸くして私を見つめた


あぁもう
辛い、辛い、辛い
なにこれ、心臓が痛い






『おじゃま、しました』




深く頭を下げて部屋を出ていこうとすると
童磨が走り寄ってきて私の腕を掴む。




「A、どこ行くの」


『知りません』


「なんで敬語使うの？」


『分かりません』





待ってくれ、今頭が混乱してるの
そんなに質問しないでくれ……





「ねぇA、」




童磨が私の名前を呼んだ時、
ずっと後ろにいたあの男が童磨の腕を掴んだ。




「……何かな？」



相手は信者、童磨は笑顔で優しく男に語りかける。






「私の極楽は、ここにありました」



そう言って男は童磨の私の腕を掴む手を振り解こうとしたが、恐らく童磨の力が強いのだろう、振り解けずに童磨を少し睨む。





『……ごめんなさい、貴方は関係ないからもう部屋に戻っ……』





男に指を口に突っ込まれた。




……あれ、これ前にもあったよね。
童磨に指を口に突っ込まれたやつ。


つまり2回目？





「…何をしてるの？」



笑顔でいつつも、怪訝な目を男に向ける童磨。
……童磨の表情はとても尊い。
そしてかっこいい。好きです。(唐突)


そして女は向こうで固まってる。
空気だ。



「私はこの人が好きです」


『』




男のとんでも発言が静かな部屋に響き渡った。

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