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そんな童磨に対し、口を開こうとしない無惨様。




「…………そうだ。」




やっと口を開いたと思えば
返ってきたのはたった一言だけ。






再び訪れた、淀んだ静かな空間。



『……帰っていいかな』(小声)



そんな異様な空間に耐えられる気がしない。
無惨様は一体なにをなさるおつもりで……?






「…………Aが…………?」




童磨の声が私の名を呼ぶものだから私もそちらに目を向けると、目に入った童磨のその様子に思わず息が詰まった。





『……え』






童磨が無惨様を見上げたまま、
涙をぽろぽろと流していた。



童磨が涙を流しているのは今までに何度も見た事がある。だがそれはどれも上辺だけ、表の顔だけ。




今は……表?裏?どちら?








童磨は静かに涙を流し、無言で無惨様を見つめている


そんな童磨にこんな事を言うのは申し訳なく不謹慎でもあるけど、その姿はとても美しい。







……いやでも、これはさすがにやりすぎなんじゃないかな……




そう思った私は出て行こうかとした時、
振り返った無惨様と目が合ってしまった。





『(ヒッッ)』





その眼差しはまるで “まだ出てくるな” とでも言いたげな。



私は大人しく腰を下ろした。






「……童磨」



「………、それなら、何故俺は
まだ生きているのでしょうか

いっその事、Aを殺した貴方様のその手でこの俺も、……」





瞬きもせず涙を流し続けながら淡々とそう呟く童磨。






「聞け」



「……、」






まるで無惨様の言葉が聞こえていないみたい。
現に今、無惨様の言葉を遮ってる。

まずい、無惨様の機嫌が、






……とそんな時、





「……というのは冗談だ。」






無惨様の言葉が静まり返った空間に響いた。

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おもち(プロフ) - るみさん» おおお……!!!コメントありがとうございます……ッッ!!!こちらこそ感謝です……っ゚(゚´Д`゚)゚。 (2020年1月4日 15時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
るみ - 今ここまで読んで見ましたが……私の想像以上に最高の作品でした!!書いてくれた作者さんありがとうございます!! (2020年1月4日 13時) (レス) id: b36153d67a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - クラゲさん» ヒビが……(´・ω・`) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - うささん» そそそそそんなに!!!?滅相もない!!!(;▽;)嬉しいですぅぅぅぅぅありがとうございますぅぅう!!!!゚(゚´Д`゚)゚。 (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - paopaoman217さん» え!?ありがとうございますっっ!!!!ヽ(;▽;)ノ更新待っててくださいね〜!!(≧▽≦) (2019年12月1日 18時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おもち | 作成日時:2019年11月17日 23時

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