【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 壱【童磨】

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『……そっか……き、嫌われてる……のか……』



私は考える事を放棄し3人に背を向けた。




「おいコラ逃げんな鬼！！！」



「まて伊之助！！あれは俺たちに適う相手じゃない！！」





後ろからはそんな会話も聞こえてくるけど
もう構っていられない。





『えええ……嫌われてたの？』






あの人に嫌われたら私生きていける気がしない。





『うっ』





目を擦りながらドボドボ歩く。





「アイツ泣いてんぞ！！」



「伊之助！お前相手が鬼だからって泣かせることはないだろう！」



「あの子乙女だな」





3人共、私をおちょくってんのか。
今傷心してるんだ、ほっといてくれ。





『確かにあの方にも相談したら “くだらん、帰れ” の前に “お前がいつもそんな調子だからアイツに相手にして貰えない” って言われたっけ』



その時は意味がよく分からなかったけど今なら分かるわ。

アタックしすぎたって事ね。ハイハイハイ





『……えぇ……帰っていいの、これ……？』




涙も馬鹿みたいに出続ける。

嫌われてる自覚か無かったのか私。






『……うぅ、』






とりあえず、今日は童磨に会わないようにしよう。
さっき目を擦りすぎたし

どうせすぐ治るけど






号泣しながら真夜中の道を歩く女ってどうよ。
それ失恋した女っぽくない？






屋敷からはそう遠くないこの場所


たまに鬼と出会ったりするけど今は構わない。
いつもなら暇だから絡みに行くけど今はそんな気分じゃない。





「えっ、泣いてる……？」



すれ違う鬼が口々にそう言う。





『……うぅぅ……』







それから何時間か経ち、屋敷にたどり着いた。



とりあえず涙を拭きながら玄関の扉を開き、
自分の部屋へと向かう。





「あれ、出掛けてたの？」



『……えぐっ』



「……えぐ？」







後ろから声をかけられた。
まずい、驚きすぎて変な声が出た。




そしてもっとまずいのは声の主が童磨だって事。






『……出掛けてましたご飯食べてましたおやすみ』



「待ってよ〜」





何故今日に限ってこやつは私を引き止める。






『私忙しいからそれじゃ！』



「なんでこっち見ないの？」





がっしりと腕を捕まれ前に進めない。
今日は童磨に会わない、顔を合わせないって決めたんだ。




……仕方ない。







『おりゃっ』



「えぇっ！」





自分の手首を引きちぎって走った。
そして自分の部屋に駆け込み、窓を開けた。

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