【鬼滅の刃】彼をどうしても振り向かせたい 壱【童磨】

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童磨の瞳が一瞬、揺らいだように見えた。
気のせい？





『ごめん、許して、お願い』



「……、」





それでも、何も言ってくれないので彼の肩を掴んで引っ張り、口付けをしてみる。




『童、磨……』




無反応。



まずい。
本格的に嫌われた？





童磨の顔色を伺い、一人で焦っていると
童磨が口を開いた。





「こういう事、誰にでもしているんだろう？」



なんて。







『してない』



「……」



『してない！』



「いや、二度言わなくても。」






無反応だと伝わっていないんじゃないかと不安になるんだ、仕方ないだろう。



すると童磨が口元に笑みを浮かべ、またまたとんでもないことを言い出した。





「……外に出られないようにしようか。
こんな事が無いように、誰にも会わないように」



『待って、病んでる病んでる』





ニッコリ笑った童磨を必死で止める私。




「そうでもしないと……」




笑みが深くなる。
一言で表すと怖い。





『ごめんって……出かける時は声かけるから……』


「……、」





っていうか、何でこうなっちゃったんだっけ


まず私が屋敷を出てきたのには理由があって、






『……元はと言えば童磨が冷たいからじゃん……』




なんて、思わず呟いてしまった。




ハッとした時にはもう遅い。






「……あー。
……うん、俺が悪かったんだよね、そうだそうだ」




そう言いながらずっと笑ってる。
それから何も言わなくなった。



……え、何この拷問？
精神的にジワジワ来てるんですけど。






『……あの、さっきの事なんだけど。
猗窩座に相談してたんだ、童磨の事……』



「………俺の相談？へぇ、それで？」



『それで童磨の気配が近づいてくるなぁって思ってたら、いつの間にか猗窩座と接吻してて。』



「……それはお前の危機管理能力が甘いってことだ。」







童磨が私から視線を逸らして笑う。
童磨の視線の先に、私も視線を移す。



そこにはまた、鬼殺隊の剣士 “達” の姿。

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