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手の震えがおさまらない。
それを見られないように背中の後ろに腕を隠すと、
善逸が私をじっと見つめた。
「Aちゃん、真ん中歩いてくれる?」
『あ、うん』
善逸と炭治郎の間を歩けと?
確かに3人の真ん中を歩くのは安心だ。
でも、私以外の誰かに何かあったりしたら…
「何考えてんだコラ
俺は強ぇ、気にしてんじゃねぇ」
ふんっ、と大きくため息をついて
そっぽを向いた伊之助。
『伊之助……イケメンだね…』
「やめてぇぇAちゃん捨てないでぇぇ」
善逸の私の腰にしがみつく技にはもう慣れたよ。
「こうしよう。Aからは目を話さないこと。
極力一緒に居ること。」
「えっ、お風呂とかは?」
「それはダメ」
「ちぇ……」
やだ、不貞腐れてる善逸可愛い……
『色々とごめんね……ありがとう』
そう言うとにっこりと笑ってくれた炭治郎と善逸。
伊之助の表情は被り物のせいで分からないけど
“ふっ”て、ちょっとは笑ってくれた気がする。
……だけど、善逸の表情がだんだん暗く、
先程よりも険しい顔つきになった。
何かあったのかと思い、咄嗟に尋ねると
「……Aちゃん、顔隠してほんと……」
と呟いて顔を覆った善逸。
「何が聞こえたんだ?善逸」
「……、“深琴って奴が標的の女のことを醜いとかブサイクすぎてまともに見れないとか言ってたけど、
見てみりゃ普通に良い、むしろ上玉じゃねーか”
…………だって。」
眉間にシワを寄せてぼやいた。
『……そんなひどい顔?』
「どこが!!!?深琴ちゃんの目がおかしいよ!!!つーかAちゃんの事見ていいのは俺だけだからな!!!こっち見んな!!!」
「こら善逸、聞こえるだろ」
善逸が急に暴れ出した。
こうなったらもう誰にも止められないぞ。
「……でもまぁ、深琴の顔が広いって事だけは分かったな」
「あと性格悪ぃ」
「伊之助、思っても口に出しちゃダメだぞ」
隣で話し出した2人をよそに善逸の表情は暗いまま。
何か笑顔になれるようなものは無いかと辺りを見渡してみると、あるものが目に入った。
『あ、ほら善逸。甘味処があるよ。』
「……へ?」
涙を浮かべた善逸のくりくりとした大きな目。
その視線は私の指さした方向に向かう。
「おー、善逸好きだもんな
寄っていくか」
そうと決まれば、早速私たちは甘味処へと向かった。
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るーあ - ガチめに泣きました…もう…一生読んでられます…最高です…(語彙力無) (2019年12月25日 20時) (レス) id: e490d5357b (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - Mahtaさん» そうですそうです!!!小説の力をお借りして下弦の参のみを復活させました〜!他の加減はもう居ないです……だがしかし。実は彼、下弦ではなく……。おっと、ネタバレになってしまうのでここら辺で!!(o´艸`) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - あれ台詞あってない気がする(今更) (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
Mahta(プロフ) - 下弦の参って原作ではあれっすよね?ほしさんが声当ててるあの人、、、「ダメだ、、、おしまいだ!心は読まれ、肯定しても否定しても○される」の人ですよね?けどあれですよね!小説の力d(( (2019年12月14日 19時) (レス) id: 7a57e948cf (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 美夏さん» なななななんですとおおぉ!!?嬉しいです!!!!更新だいぶ遅れてますね(´・ω・`)今週中には更新したいと思いますので!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2019年12月11日 22時) (レス) id: 9123ab14eb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おもち | 作成日時:2019年10月20日 23時