霧崎第一の華

第43話 ページ44

貴女side









あれから、私は新しい携帯を買った









ただし、携帯に入れた連絡先は
母親と、先輩達のたった6人のみ









女の子の連絡先すら、入れさせてもらえなかった









ブー…ブー…









『はい…Aです』









？？「A？久しぶりね〜」









電話越しに聞こえた声は、久々過ぎて、一瞬誰かわからなかった









あぁ、〈お母さん〉だ









声を聞くのは何ヶ月ぶりだろうか









『……お母さん…どうしたの、急に』









母「久々に電話してやった親に対して何なのその態度は？はぁ、ま、いいわ。来週家に帰るから掃除しておいてね❤あと私が家行く時アンタは家にいないでね」









電話越しに聞こえる声は、私を脅しにかかっていた









『……わかった』









プツリ、と電話が切れた









昔っからこうだ、私が虐められてる時だって
ずっと遊び歩いて私の事なんか目もくれず









ようやく家に帰ってくると思えば、訳の分からん男連れてきて、私は追い出されるし









帰ってくれば私のベッドに乱れた行為をした形跡









もう既にそこに母の姿がある事は1度たりともなかった









帝光の頃、学校虐められていて、家に帰っても誰もいなかった









その頃を思い出すと、無性に先輩達が愛おしく感じた









衝動的に、電話をかけてしまう









プルルルルル









花「もしもし、どうした？」









電話越しに聞こえる真先輩の声









その後に聞こえる他の4人の声









あぁ、私のこれだ。帝光の頃から何ら変わらない









私の居場所









学校で独りで、家でも独りだった私に優しくしてくれたのは……紛れもない、この人達だ









『……ま…こと…先輩…』









急に、涙が溢れた









抑えていた感情が、吹き出されたような、そんな感覚









気付けば、電話は切れていた









愛想を尽かされたのだろうか、そんな風に思ったその瞬間、









ピンポーン









家のチャイムがなった

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