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「音、全然しなくなったな」


「もしかして諦めて逃げちゃったのかも」




時間がたって、耳を澄ますけど物音は何も聞こえなくなっていた。

外の様子を見てみるかとなったが、哀ちゃんが止める。




「ダメよ!外で待ち伏せてるかもしれないし…っ、ゴホッ、」


『大丈夫?』




哀ちゃんの傍にいくと汗をかいていた。

そういえば少し暑いし、何か焦げ臭いような…




「おい!このドア鎖がかかってるぞ?」


「それになんか焦げ臭いよ!」


「まさかこの山小屋…燃えてるんじゃ、」




光彦くんがそう言った。

私も、さすがにここが燃えてるとは思わなかったから驚いた。

窓もなぜか釘がかかってるみたいだし…




「扉ぶっ壊そーぜ!」


『無理だよ…犯人でも開けられなかったのに』


「大丈夫、この煙に気付いて、きっと助けが来るから…!」




助けが来る…コナンくんのことを言ってるのかな。何となくそう思う。

すると火の勢いが増した。




『っ…みんな!煙を吸い込まないように伏せて!』


「ふ、伏せるんですか?」


『そうだよ…!はやく!』




私が珍しく大きな声を出したせいか、みんな少し驚いていたけど、すぐに姿勢を低くして伏せた。

これでちょっとはマシだよね…

あれ?なんで私こんなに必死なの?別に、ベルモットたち以外が死んでも、どうだってよかったのに。




『なに、この感じ…』




私は、頑張って耐えてるみんなを見渡す。

モヤッとしたけど、煙がより一層濃くなってきたので考えを放棄した。




「あ、歩美ちゃん!?」


「しっかりしろ、歩美!」


『…!歩美ちゃ、ごほっ』




完全に力が抜けている歩美ちゃんに、心配して口を開くけど、その瞬間煙が入ってくる。

あ、あれ…視界がなんか、ボヤけてる?息も苦しい…


暑い。こげ臭い。のどがいたい。


…ダメかも。


そして瞼が重たくなって、そのまま視界が暗くなりかけた時だった。




『…?』




後ろのドアが開いて、誰かが斧を持って走り、扉を壊した。

その人は、動けない歩美ちゃんを抱えて私たちの方を振り返った。




「いい?あなたたちの知り合いが来るまで、息を殺して隠れてるのよ!」




そう言った女の人。

小屋から出て視界が明るくなり、その人の顔が見えた。




『え?』




1度だけ。遊んだことがあった。

記憶は曖昧だけど、この人は完全に…




『……シェリー、?』




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- いつか続き見たいです! (2023年1月4日 20時) (レス) @page41 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
四葉 - ………なんか変な終わり方 (2020年4月16日 23時) (レス) id: d4c94e9a80 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - なんか、可愛い (2019年6月8日 9時) (レス) id: 8fa060f4ff (このIDを非表示/違反報告)
南 雲 。(プロフ) - レンちゃんがコナン好きってこともすごく伝わる内容でした。 (2019年6月7日 23時) (レス) id: cf49f61a0c (このIDを非表示/違反報告)
南 雲 。(プロフ) - 言葉の繋げ方が相変わらず上手すぎてうらやまるやまです。 (2019年6月7日 23時) (レス) id: cf49f61a0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤月セレン | 作成日時:2019年6月3日 0時

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