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……ここ、どこ?



慣れない匂いに目を覚まし、身体を起こす。

寝ぼけたまま辺りを見回すと、隣で寝息をたてている人が居た。




『…らん、おねえさん?』




私、なんで蘭お姉さんと一緒に寝てるんだろう。

たしかあの時、バーボンの腕の中で眠っちゃってそのあと何となくコナンくん家に泊まるみたいなことが聞こえたような。

じゃあ、ここは毛利探偵事務所っていうわけか。




早いところここを出て、向こうに戻りたい。

そう思ってベッドから降りようとした時、私は蘭お姉さんの寝言に動きを止めた。




「ん……新一…」


『しんいち…?』




新一。


その名前に、どこかで聞いたことがあるような気がした。

それにコナンくんを初めて見た時もこんな気持ちになった覚えがある。

なんだっけ。しんいち…新一…




『…思い出せない』




それよりも今は、ここから出よう。

私は部屋を抜け出し、そしてドアノブに手をかけようとした瞬間。




「どこ行くの?」


『…!コナンくん』




振り向くと彼が、不思議そうに尋ねてきた。

でも、その目は私の心の中を探っているような感じがあった。




「まだ朝の5時だよ?もう少し寝てた方がいいんじゃないかな?」


『ううん、大丈夫。もう帰るから』


「帰るって、どこに?」




ワントーン下がった声でコナンくんは言う。

私は、間違えないよう言葉を探して口を開いた。




『…お父さんとお母さんのとこ』




そう言い残し、私はドアノブを回して探偵事務所を出た。

階段を駆け下りながら思う。




__ベルモットとバーボンは、今の、私の親みたいなもの。




だから、間違ってない。

そう自分に言い聞かせるようにして、私はまだ薄暗い外を走っていった。




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- いつか続き見たいです! (2023年1月4日 20時) (レス) @page41 id: 5bd30ec6cb (このIDを非表示/違反報告)
四葉 - ………なんか変な終わり方 (2020年4月16日 23時) (レス) id: d4c94e9a80 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - なんか、可愛い (2019年6月8日 9時) (レス) id: 8fa060f4ff (このIDを非表示/違反報告)
南 雲 。(プロフ) - レンちゃんがコナン好きってこともすごく伝わる内容でした。 (2019年6月7日 23時) (レス) id: cf49f61a0c (このIDを非表示/違反報告)
南 雲 。(プロフ) - 言葉の繋げ方が相変わらず上手すぎてうらやまるやまです。 (2019年6月7日 23時) (レス) id: cf49f61a0c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤月セレン | 作成日時:2019年6月3日 0時

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