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しばらく彷徨い歩きながら目の前に鬼が現れる度にそれを斬り続ける。
3時間ぐらいは動き続けたところでふと立ち止まった。
『んー、飽きたし面倒臭いな』
というのが本音である。
まあそんなのもお構い無しに、稀血だからか鬼はぞろぞろやってくる訳で。
安心して休める場所を求む……!と辺りを見渡すと、ちょうど人が登れそうな大木が目に入った。あれでいいや。
流石に木の上まで鬼来ないよね。もし鬼が来ても私が先に気付くし。
周りに群がっていた鬼を呼吸を使わず瞬時に倒す。
近くに鬼と人の気配がないのを確認して素早く木の上に登り、枝のつけ根に腰を下ろした。少し肌寒いが、そんなに居心地は悪くない。
『……7日間ここにいれば勝ち組じゃね?』
そう呟きながら、欠伸を1つ零す。
瞼を下ろしてウトウトしていると、東側から「イヤア゙ア゙ア゙!!!」という汚い高音とドタバタする足音が聞こえてきた。
すっごく嫌な予感がしなくもないな。
この汚い高音に聞き覚えがあると信じたくなかった。いやそもそも聞き覚えなんてある訳ない。よし寝よう。
と決意して10秒後。
『(……なんっでこっちに向かって来てんの!?)』
だんだん大きくなる足音に眉を顰める。
目を開けて東側を見れば、案の定金髪の人物こちらへ全力疾走しているのが視界に映りこんだ。
「イヤア゙ア゙ア゙ア゙ア゙誰か助けて俺弱いんだよォ!死ぬ死ぬ死ぬ俺ここで死ぬ」
汚い高音を出しながら走る元気あるなら鬼をまず斬れよ!?
確か善逸……って言ってたっけ?
数ヶ月前初めて会ったときの記憶を思い返しながら上から呑気に観察する。
と、何故かふと私の方を見上げた善逸。目が合った。ような気がした。
いやでも葉が生い茂ってるから向こうからこっちは見えな、
「えっそこに誰かいるの!!?音が……!ちょ、その木の上!!誰か!誰でもいいから助けてっ」
『は?』
なんでバレたの!?ふざけんな。
安定した休息が木っ端微塵になった。しかも鬼5匹も連れてきてんじゃん。完全なる巻き込み事故!!!
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リリー - 善逸と面識あるって分かったとき「いやぁぁぁぁあ!!!!善逸ぅぅぅぅぅぅ!!!!(歓喜の叫び)」ってなった。 (2021年6月3日 5時) (レス) id: 6d42949a76 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - すずなさん» 返信遅くなって申し訳ありません!まさにそれです!!語彙力皆無なのに分かっていただけて嬉しい.........!感激です!!更新頻度とてつもなく遅いですがどうかこれからもお付き合いしていただけるとうれしいです! (2021年1月1日 11時) (レス) id: 0005ea8ca7 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - 面白いです!あと岩の訓練のやつってハンターハンターですか?グリードアイランド編の! (2020年5月23日 9時) (レス) id: 5706aaffc1 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - ばーどさん» コメントありがとうございます!えっっめっちゃ嬉しいです!!私が悪いんですけど不定期更新のことをポジティブ的に言っていただいて本当に嬉しいです笑不定期ではありますが頑張ります! (2020年4月15日 17時) (レス) id: 0005ea8ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ばーど - このお話大好きです!不定期更新でもいつ更新されるかわからないドキドキ感があるので焦らず更新頑張ってください! (2020年4月12日 22時) (レス) id: 12bcc99cbc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:成瀬 | 作成日時:2020年1月7日 15時