【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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宇髄天元side





『あーくっそ！なんで当たんねーんだよ！！』

｢その程度か？カスイな！｣

『そもそも子供が大人に勝てる訳ないじゃん！』





そう言いながらぶんぶん刀を振り回すこいつは、だんだん本性が現れてきたように思われる。

最初は愛嬌のいいガキだと思ってたんだけどな……ただの表ヅラだけがいいクソガキだったことが昨日判明。

しかもこのクソガキは、俺のことを微塵も信用してないらしくしょっちゅう誤魔化したり嘘をついたりする。

まあ14歳のガキのくせに初対面の人に猫を被るぐらいだ。もともと人を信用してない、できない性格をしているのかもしれない。



わざと右に隙を空ければ、Aは見逃さずに瞬時にそこを突こうとしてくる。

俺がわざとそれをしているのに気付いてるようで、木刀が空を切れば舌打ちをするクソガキ。

動きは悪くない。むしろ信じられないほどいい。

この歳でここまでの動きがほぼ意識せずに行われているって、こいつ……





｢(今まで何してきたんだよ)｣





きっとその問いは、聞いたところで誤魔化されるか嘘をつかれるだけだろう。本当のことは教えてくれない。

多分それが家出してきた理由にも関係があるんだろうけどな。





『うおら！』

｢おーおー、あっぶねー｣

『余裕そうにしてんのムカつく！！！』





Aは躊躇なく俺の頭をぶっ叩こうとしてきたが、それをなんなく避けてやる。

その度に舌打ちをしたりくそ！と漏らしたり、こいつまじで口悪すぎんだろ！

にしてもこいつの剣術は一見荒々しく見えるが、正確なところを突いてくる。

加えて、たまに俺が避けきれず木刀で捌いたときに感じる一太刀一太刀は重い。





明日は俺から攻撃仕掛けてみるか。

避けるだけだったら目の前のクソガキがお気に召さないみたいなんでな。

これでも一応怪我のことは心配してんだけど。





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