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宇髄天元side
「(なんだこいつ、)」
目の前にいる幼い少女は、警戒心剥き出しで俺を睨みあげる。幼さを感じさせない冷えきった目をしていた。
がしかし。何を思ったのか話しかけた数秒後、先程までの睨みは嘘だったのかと思うほど、一瞬で表情を変えたそいつ。
目を潤ませ、眉尻を下げるそいつに少し戸惑いつつも口を開く。ガキのくせに思考は一切読めない。
「親とかはいねぇの?」
『おじさん。何か食べ物恵んでくれませんか。できれば泊まらせてくれると嬉しいんだけど……』
「なっ、おじ!?」
『あ、しくった。お兄さん!なんでもするからさ』
「なーに言い直してんだよォ??」
思わず頬がぴくぴく動くのを覚える。何がしくっただ。一瞬やっちまった!って顔してたぞ。ちゃんと見たぞ。
……が、話しかけた手前ここでガキを放っておくような男じゃないぜ俺は。
たかがガキだ所詮ガキだと心の中で言い聞かせつつ、仕方なくしゃがみこんでガキより目線を下げる。
と、こいつの背中に何やら違和感を感じる。同時にそれが何なのかが分かった。
「(刀持ってやがるな。鬼殺隊にはこんなガキいる訳ないし……なんでだ?)」
恐らく一般市民なら気づかない。俺も最初は気づかなかった。
刀を持ち歩くことは政府公認でなければ許されなくなったこの世の中で、持ち歩く理由ってなんだ?
鬼を倒すため?そもそも鬼の存在は知らない人も多いのに?
得体の知れない少女に疑問が増えるばかりである。
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成瀬(プロフ) - 夜小雨さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてめっちゃ嬉しいです!!よかった、シリアスさに全部持っていかれそうだったのでw更新頑張ります! (2020年1月7日 12時) (レス) id: 0005ea8ca7 (このIDを非表示/違反報告)
夜小雨(プロフ) - 夢主と宇随さんの掛け合い、面白すぎ!最高ですねwwいつも更新楽しみにしてます!!これからも頑張ってください! (2020年1月7日 9時) (レス) id: 1010f12598 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 午前の紅茶さん» コメントありがとうございます!なんとも可愛らしい好きでしょうか()めっちゃ嬉しいです!頑張りますね! (2020年1月2日 11時) (レス) id: 0005ea8ca7 (このIDを非表示/違反報告)
午前の紅茶 - いっぱいちゅき。更新頑張ってください! (2020年1月1日 23時) (レス) id: bde0f88de0 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 偽っ子さん» コメントありがとうございます!んふふ、そうなんですよ。これとてつともなく私の好みになってますすみません()完全なるチートではないけど強いみたいなキャラ好きなんですよねッッ!読んでいただき感謝です! (2019年12月28日 12時) (レス) id: 0005ea8ca7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:成瀬 | 作成日時:2019年11月2日 21時