【鬼滅の刃】視界がうるさい。

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Aside





もう満足、大満足だわ。

晩飯も食べさせてもらい、久々の風呂にも入らせてもらい、安心して寝れる寝床も用意してくれた。

至れり尽くせりである。最高かよ。今はと言うと敷かれていた布団に体を潜り込ませていつでも寝れる体制だ。久々の安定した休息だなハゲる。





『(……ま、早いとこ離れないとな)』





情が移る前に。

もし“殺せ”と言われたら、躊躇なく殺せなくなる前に。

情が残ってんのかは知らないけど。





『(つーかそもそも情が移ることはないか)』





理由は簡単だ。信用していないから。

人の明らかな善意は喜んで受け取るが、信用はしない。

悪く言えば、利用しているだけ。

そう考える自分が捻くれていると言うことは知っている。

でも、最後の最後まで信じれる人なんて自分しかいないのだ。自分は自分で守るしかないのだ。

だって、身内にすら殺されそうになったことがあるくらいだし。それに、父さんからも簡単に人を信じるなと……





『ッ、なんで今父さんが出てくるんだよ』





チッと舌打ちを零す。あー無性に腹立ってきた。

もう自由だろ？ここに家族はもういない。誰にも縛られることはないはずなのに。どうしても消えてくれない。





はぁああと大きい溜息をつく。まだ忘れるには時間がかかりそうだ。

2ヶ月経った今でも、どれだけ疲れていようが1人になると考えてしまう。

それはそうと。

次の宛を探さないといけない。町並み抜けてここまで来たから町は近い。ある程度の配置とか覚えた。そこで金を稼いでそこそこ溜まったら出ていこう。うん。

そもそも長居しすぎても須磨さんまきをさん雛鶴さん、一応宇髄天元にも迷惑だしな。罪悪感が少なからずある。



おかしな話だが、なんだか罪悪感と感謝を感じられる自分がいることに安心した。

親のもとにずっといれば、感情が無くなりそうだった。あの人はそれほど残酷な人だ。





『私もそんなに変わんないけどなあ……』





私の小さな呟きは誰にも拾われることなく宙に消えていく。



明日は、午前に町の下見、んで午後からは金稼ぎ開始しよう。金ないと生きていけない。

まともな睡眠が何日もとれていなかったからか、とてつもなく瞼が重い。

私は眠気に逆らうのをやめ、目を閉じた。






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